NHK「エース級アナが次々消える」異常事態の深刻 ポスト桑子真帆や和久田麻由子、なぜ出てこない?
9年という時間を、十分長いと感じる人もいるかもしれないが、おそらくそれは“民放基準”だろう。
民放では、フジテレビの「◯◯パン」シリーズなど、女性アナウンサーは新卒入社とともに自分の冠番組が与えられてスタートダッシュとなることまである。「30歳限界説」といった時代錯誤なことがいまだ言われるような世界だ。
結婚や出産といったタイミングで独立してフリーになる“女子アナ”のイメージは、あくまで民放の東京キー局の状況が作り上げたものである。
一方、NHKは、産休を経て復帰するアナウンサーもたくさんいる。視聴者としても、民放に比べて、40代や50代の女性アナウンサーを画面で見かける機会も多いはずだ。
産休・育休を経て、『あさイチ』のメインキャスターを務める鈴木奈穂子は、現在43歳。2024年の『NHK紅白歌合戦』では司会に抜擢されるなど、第一線で活躍する40代だ。現在はフリーアナウンサーとして活躍する有働由美子も、大きく花開き、第一線に居続けたのは40代になってからという印象である。
![鈴木奈穂子](https://tk.ismcdn.jp/mwimgs/6/8/570/img_681a0fd41e5dd4891809d3cc40233ea4289636.jpg)
だからこそ、NHKのアナウンサーにとっては、入局して9年のタイミングは“ここから”という時期である。にもかかわらず、このときが、自らの進むべき道を発見したうえで、組織に見切りをつけるタイミングになっているとしたら悲しいことである。
アナウンサーとは食い合わせの悪い環境
もちろんNHKに限らず、誰か突出した人気のあるアナウンサーに業務が偏り、過重労働にならないようにするというのは、昨今の働き方改革の末の流れでもある。加えてNHKには、民放のように“女子アナ”をタレント化させるつもりはないという矜持もあるのだろう。
それ自体を強く否定するつもりはない。だが、その“正しさ”が強くいきすぎると、「徒競走で順位をつけないために全員一緒にゴールさせる」というようなことになりかねない。その環境は、突出した何かを伸ばしたい個人にとっては、居心地の悪いものになる。
少なくとも、そもそも高倍率を突破して入局した“選ばれし者”であるアナウンサーとは食い合わせの悪いものだろう。個人のスキルに対しても、そして組織全体としても、角を取ろうとするような“平坦化”の動きが見られるのである。
民放でも多く見られる、次々に“エース級アナ”が辞めていく事態。NHKも例外ではなくなっていくのかもしれない。それはNHKの特性を踏まえれば、他局よりも深刻な事態を迎えていると言っていいだろう。
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