NHK「エース級アナが次々消える」異常事態の深刻 ポスト桑子真帆や和久田麻由子、なぜ出てこない?
中川・佐藤の2人は人気・実力の芽が出始めていたのに、その芽を育てる場がないだけではなく、誰か後進を2人のように育てよう、という気配もない。若手のアナウンサーが、何か自分の得意な分野を深く探求し、伸ばせるような配置になっていないのである。
そもそも論になってしまうが、今のNHKのアナウンス室には、誰かを突出したエースにしようという感覚自体がないのかもしれない。
スペシャリストではなくジェネラリスト傾向?
彼女たちからだいぶ上の世代になってしまうが、つい先日、豊原謙二郎アナウンサーにも退局報道が出た。51歳の豊原は、中川安奈とともに『サンデースポーツ』を担当。ラグビーのワールドカップや、東京五輪の開会式の中継を担当するなど、スポーツ・実況のエキスパートである。
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豊原は、昨年、名古屋に異動になったことで、報道番組の進行を担当。サンケイスポーツの報道によれば、スポーツの現場になかなか出られないことが退局理由の1つだという。
50代で、スポーツ実況というその道のエキスパートになった人でさえも、その専門分野を活かす機会を減らされるという、一般企業からすると首を傾げたくなるような配置転換が行われていたのである。
20代のまだ何が得意分野かわからない若手に、さまざまな種類の仕事を体験させて、自分の適性を見つけてもらおうというのであれば、理解はできる。だが50代になり、その道のスペシャリストと呼べる場所に達した人に対し、ジェネラリストのように育てようとするのは、人材育成の環境としては、充実したものだとは言いがたい。
そう考えると、自分の得意分野を見つけ、スペシャリストとしての芽を出し始めた30代の中川と佐藤の2人が、これからというタイミングでNHKという場を出ようとしているように見えるのも、納得がいく。
やっと出た芽を育てようとしてくれる土壌がなければ、他の場所を見つけようとするのも当然のことである。
奇しくも、以前『あさイチ』のメイン司会を務めていた近江友里恵も、2人と同じ、9年間勤めたタイミングでNHKを辞めている。現在はフリーアナウンサーとして活躍する神田愛花もNHKにいたのは9年間だ。
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