元サントリー社員が教える「顧客の本音」の探り方 商品のブランディングに必要な5つの「問い」

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「怒ってしまうのは、子どものせいじゃないかも。時間がなくてイライラしているせいかもしれない」

あるいは、「遊び食べが治らなかったらどうしよう」という不安に「ほかには?」と投げかければ、「私の料理がおいしくないのかな……」といった別の不安も見つかるかもしれません。

40個の「悩み・不安・不満・願望」に5つの問いを重ね、その答えも付箋に書き出していきましょう。

「なりきり」と「妄想」の技術

とは言え、「それで?」「そもそも?」と考えても、答えが思いつかないこともあるかもしれません。そんなときは、「なりきり」と「妄想」をしてみましょう。

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先ほど紹介したペルソナシートには、「読んでいる雑誌」「好きな本のジャンル/愛読書」「普段情報収集しているサイト」「出没スポット」などの項目があります。

これをもとに、ペルソナが普段読んでいそうな雑誌や本、サイトを眺めてみたり、行きそうなお店に実際に足を運んでみたりします。ペルソナがやりそうなことを、自分自身も体験してみる。これが「なりきり」です。

つぎに、「妄想」。これは、ペルソナのイメージに近い人を眺めながら行います。

ペルソナがワーキングマザーであれば、夕方に駅前のスーパーに行ってみましょう。そして、周囲を観察します。

「あの人、今どんな気持ちで野菜を選んでるんだろう」

「すごく早足だな、時間がなくて焦ってるのかな。帰ってもご飯をつくる時間はあまりないだろうな」

「買い物しなきゃいけないし、子どもは泣いてるし大変そうだな」

目の前にいる人の表情や仕草を見ていくことで、よりリアルな感情を妄想できるはずです。足を動かし、ヒントを探してみましょう。

村本 彩 irodori Branding 株式会社代表

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むらもと あや

1982年福岡県生まれ。九州大学経済学部卒業後、サントリー株式会社(現サントリーHD)入社。営業を経たのち、マーケティング部門に異動。ブランドマネージャーとしてビール・チューハイ・リキュールなどの新商品開発、マーケティング戦略に携わる。開発・担当した商品は約10年間で100以上。品質だけでは差別化が難しい時代に、商品の個性を際立たせることでヒット商品をつくり上げてきた。
2018年に独立起業。社員やパートナーメンバーとともに、個人起業家や中小企業の経営者などのコンサルティングを行う。サービスの特徴は、ブランディングのサポートを通じ、ビジネスの本質的な課題を解決すること。既存の概念に囚われない自由な発想力と、アイデアで終わらせない具体的な戦略立案・実行力により、3年連続で年商1億を超える実績と1000名以上の顧客からの支持を得ている。プライベートでは2児の母。

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