1年間、勉強とアルバイトを続けながら自分に合った海外大学を探し続けた結果、ヤギさんはついに両親の了承を得ることができました。
大学に進学する許可は得られたが…
しかし、まだヤギさんにとっては大学に進学する許可が得られただけ。大学に進学するためにはもちろん、大学が求める学力水準を満たす必要がありました。
モナッシュ大学マレーシア校に入るには、IELTSのスコアが平均で6.5以上(4科目でもそれぞれ6.0以上)必要でした。
ただし、大学が基準とする数値に届かない人でも、「MEB」と呼ばれる大学附属の語学学校に入学して20週間授業を受け、4技能を問う独自試験に合格すれば、本課程に進学できる仕組みもあります(※現在は名称やコースなどが異なります)。
年2回入学時期のあるこの語学学校では、IELTSのスコアが平均5.5以上、4科目ではそれぞれ最低5.0以上と本課程よりも基準は下がります。
語学学校に入ろうと思っても、スピーキングのスコアが4.0までしか取れなかったヤギさんは最初こそ苦戦したそうですが、海外大学に行くことを決めてからは対策に集中できました。
「海外のお客さんの接客だけでなく、時間があるときには一人で英語をつぶやいてみたり、姉の彼氏のアメリカ人とたくさんしゃべることで対策を頑張りました。マレーシアに行くことを決めてから半年間、スピーキングを中心に頑張ったかいがあって、なんとか年明けの試験でギリギリ5.0をクリアして、語学学校に入学しました」
こうして3浪を経て2019年3月、日本円にして学費40万円程度の語学学校「MEB」に入学したヤギさんは、ついに海外で目標に向けた勉強を開始することができました。
語学学校のクラスには30人いて、日本人は3人。午前中のみで、リスニングの日、ライティングの日、スピーキングの日と、日によって課題が違ったそうです。
「やっとマレーシアに来ることができてうれしかったです。自分の英語力を伸ばすことができるチャンスだと思いました。ただ、私は英語ができるほうだと思っていたのですが、入ってすぐに『日本で英語ができる』と、『海外で英語ができる』はまったく違うのだなと痛感しました。特にスピーキングは本当にできなくて、本課程に入るためのテストの前まで『大丈夫?』と先生に心配されていました」
直前まで不安な気持ちを抱えて試験に臨んだものの、今までの努力の日々が実り、独自の4技能試験に合格したヤギさんは、2019年7月にモナッシュ大学マレーシア校の本課程であるビジネス学部へ入学しました。
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