頭のいい人が「部下のやる気のなさ」を責めない訳 人間は「やる理由」があれば「やる」生き物だ

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このように、うまくいかないコミュニケーションも、別の視点からアプローチすることで円滑に進む場合があります。他責思考ではなく、どうすれば物事がうまく進むかという考え方で、全体を見つめてみてください。

頭のいい人は性格が違う人を見て、重宝しようと思う

みなさんは、どんな人のことを優秀だと思いますか?「すぐ行動に移す人」とか「連絡が早い人」とか「文句を言わずに仕事をする人」とか、いろんな特徴が考えられると思いますが、しかし実は、人は他人のことを評価する際に、「自分と似た人」のことを評価しやすいという話があります。

あなたが「連絡を早く返すべきだ」という価値観の人だとしたら、「連絡が早い人」を優秀だと考え、「連絡が遅い人」を優秀でないと考えることでしょう。でも、それは「連絡を早く返すべきだ」という価値観が共通しているというだけなのです。連絡が遅くても優秀な人はいるかもしれません。「じっくり考えて回答しよう」という意識がある人もいるかもしれませんよね。人は他人のことを評価するとき、自分と同じ価値観を持っているかどうかという点で評価をしてしまいがちなのです。

逆に言えば、本当に重要なのは、みなさんの性格と違う人である可能性があります。例えば、こんな話があります。10人に対して性格診断をしてもらった上で、その結果を元にしてチームを作ってサバイバルゲームをしてもらいました。まず、「同じタイプの人」を5人集めてAグループを作り、「違うタイプの人」を5人集めてBグループを作りました。そして各グループ内で30分相談をして戦略を練り、その後で実際にゲームをし、どちらのグループが勝つのか? ということを実験したのです。

まず、30分の作戦会議のときにAグループとBグループで大きな違いが出ました。Aグループは同じ意見が出て「それいいね! そうしよう!」と議論することもなく10分であっさりと終わりました。対してBグループはなかなか戦略がまとまらず、「いや、もっとこうすべきだ」と時間ギリギリまで作戦会議が白熱したのです。

そして肝心の勝負はというと、一瞬でした。一瞬でBグループが勝利したのです。一見すると、Bグループの方は最後まで揉めていたのでいい戦略なんて思い付きそうにないですよね。Aグループの方がスムーズに決まって問題がなさそうな印象を受けます。でも、Aグループの方は全く議論がなかったので、アイデアも深まることがなく、うまくいかなかったというわけです。この話を聞いて、みなさんはどう思いますか? 

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