頭のいい人が「部下のやる気のなさ」を責めない訳 人間は「やる理由」があれば「やる」生き物だ
でも、みなさんは自分たちのことを省みたときに、どうでしょう? やる気に満ち溢れて毎日仕事をしていますか? または、最初から最後まで同じやる気を持って仕事に取り組んでいますか? おそらくは、別にやる気に依存して仕事しているわけではないはずです。
「やる気がない」のではなく「やる理由がない」
ここでみなさんの誤解を解くために言うと、人間は、「やる理由」があれば「やる」ということがわかっています。脳科学的に説明しましょう。やる気というのは、脳の中で言うと「島皮質」というところが関係しています。
これは、大雑把にいうと人間の「損得勘定」を司るところです。「なかなかやる気が出ない」という人は、ここが働きすぎてしまっているケースが多いです。損得勘定が強いので、「なんでこれをやらなければならないんだ」という思いが先行してしまう。逆に何にでもやる気になれる人というのは損得勘定をそこまで実践しない人なので、「なんでやるのか」がなくても実行できてしまう、ということです。要するに、やる気がないように見える人は、「やる気がない」のではなく「やる理由がない」から行動しないのです。
「これをやることによって、会社として、個人として、一体どんなメリットがあるのか?」それが明確になっていない状態で「そんなことを考えずにやれ!」というのは、実は大きな間違いなのです。
そもそもやる気って、やっているうちに見えてくる場合だって多いです。運動部に入った学生は、走り込みや筋トレの時間もやる気がとても大きい、ということはなかなかないと思います。練習の間はむしろつまらないと感じてしまいます。ですが一度部活に入って友達と一緒に行動してみて、また試合に出て勝ったり負けたりして、徐々に「楽しい」と感じられるようになってやる気が溢れてきます。
でも走り込みをしている人に対して「楽しいだろ! やる気を出せ!」と言っても意味がありません。必要なのは、その走り込みが一体何につながっているのか、筋トレの意味を教えてあげることなのかもしれません。相手に対して「やる気がない」と決めつける前に、ぜひ「やる理由」をしっかり伝えられるように努力してみてください。
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