つまり両者の定義が明確にならない理由は「違いを浮き彫りにする基準」が言語化しづらいからですが、では一体、どのように判別すればいいのでしょうか。
感度の高いビジネスマンならば、「型紙」と「生地感」を掛け算で見たときの雰囲気で理解できるでしょうが、誰しも、この判断をできるわけではありません。そこで私のおすすめする判別法は、服本体を確認する前に「店舗の売り場」を確認すること。ハンガーが掛かっている状態では、ジャケット肩のカッチリ感を判別することはできませんが、アパレルの売り場というのは、必ず商品特性ごとにゾーンが分かれています。
たとえばビジネススーツとセットアップは別々に並びますし、セットアップについてもグラデーションのように、「スーツ寄りのもの」から「リラックスのカジュアル寄りのもの」まで、別々に配置されているはず。
つまり、セットアップとビジネススーツの違いが分からずとも、売り場を見渡すことで、両者を混同するリスクを解消できるのです。ただしフォーマルな商談などでは場違いですが、「ネクタイを締めたセットアップの使いどころ」がないわけではありません。
ネクタイを締めたセットアップの使いどころ
オフィスカジュアルが許容される職場であれば、誰もが1着はセットアップをお持ちなのでは。というのも共生地のスラックスだからこそ、ジャケット&パンツのように組み合わせを考えずに済むため、コーディネートも楽だからです。
そしてビジネスTシャツやハイゲージニットのような襟がないインナーのみならず、ワイシャツにネクタイを締める着こなしもOKです。ただし「現場の視察で打ち合わせ」を行うシーンなどにとどめましょう。セットアップは「オフィスカジュアル」もしくは「ビジネスカジュアル」という位置づけだからこそ、ネクタイを締めても、活用シーンは限られるからです。
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