独立したらまず知っておきたい会計の「基本のキ」 フリーランスが知っておきたい指標とは?
郷:売上原価ってなんですか?
小山:ひとつの売上に対して1対1で必ずかかってくる費用のことです。たとえばラーメンが1杯売れたとしたら、そのラーメンをつくるために必要な原材料のコストのこと。たぶん郷さんのビジネスなら売上原価はゼロだと思います。
郷:ゼロですね。「粗利率」とか「原価率」とかよく言いますよね。
小山:そうそう。以下の式で計算できます。
粗利率=(売上高 - 売上原価) ÷ 売上高 × 100
原価率=売上原価 ÷ 売上高 × 100
業界によって粗利率は違い、サービス業は粗利率が高く、製造業や飲食業は粗利率が下がって、卸売業は粗利率が一番低い傾向にあります。
「本業の儲け」を示すのは何か
郷:人件費や家賃、光熱費などは?
小山:それが次の販売管理費、通称「販管費(※)」に乗っかってくるんです。
※「販売費及び一般管理費」のこと。SGAなどとも呼ぶ
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一人親方のフリーランスなら事業の利益が自分の報酬なので人件費は販管費に含みませんけど、家賃やネット代などは売上を立てるために必要な経費ですよね。あるいは広告を打ったり、パソコンを新調したりすることも。そういうものを販管費といって、「売上総利益」から「販管費」を引いたものを「営業利益」といいます。
営業利益 = 売上総利益 - 販売費及び一般管理費
で、この営業利益は一般的に「本業の儲け」と呼ばれていて、その事業の収益性がはっきりとわかります。それが青色申告決算書の1枚目に書いてあるんです。
郷:なるほど。これは大事そうだ。
小山:次が経常利益。通称「ケイツネ」。
こちらは「営業利益」に、本業以外の損益を加味した利益のこと。たとえば払った利子であるとか、余剰資金を投資に回して儲かった・損したという数字は、経常利益に反映されます。