独立したらまず知っておきたい会計の「基本のキ」 フリーランスが知っておきたい指標とは?

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:外部と共有することが目的だったんですね。

小山:はい。そしてお金の流れを説明した資料のことを「決算書」、あるいは「財務諸表」といいます。いろんな帳簿にいろんな数字を日々書き込んで、外部報告用に決算書としてまとめる。これが会計の本来の目的です。

フリーランスの場合、株主は存在しませんが、「税務署に見せるための決算書(※)」をつくっているわけです。

※「税務署に提出する決算書」と「株主に向けて公表する決算書」はほぼ同じだが、少しだけフォーマットが違う。「株主向け」のほうが経営状態をより正確に表している

決算書で大事なのは「P/L」と「B/S」

小山:現在、会計の世界で「決算書」といえば、次の3つの書類のことをいいます。

損益計算書(P/L、Profit and Loss Statement)
 貸借対照表(B/S、Balance Sheet)
 キャッシュフロー計算書(C/S、Cash Flow Statement)

このうち、フリーランスにとって重要なのがP/LとB/S。企業の会計の世界でも、C/Sが決算書(財務諸表)に加わったのはわずか二十数年前で、P/LとB/Sが会計の基本なんです。

:青色申告で提出するやつ。

小山:はい。では、P/LとB/Sはいったいなにを「可視化」したものかというと、P/Lは「1年間のお金のフロー(流れ)」を可視化したものです。

お金がどれだけ入ってきて、どんな名目でどれだけ出たかが一目でわかる。すなわち、その1年間でどれくらいの利益あるいは損失を出したのかがわかるんです。もっとわかりやすくいえば、1年間の成績表みたいなものですね。

:そうだったんだ(笑)。

小山:一方でB/Sとは、お金のフローではなく会社の「ストック(資産)」を可視化したもの。決算をする最終日(フリーランスなら12月31日)時点の会社の資産や借金などが書かれています。過去の成績表を積み重ねた結果がここに示されているということです。

体でたとえるなら、P/Lは1年間どんな栄養を摂ってきたかの記録で、B/Sは健康診断の結果みたいなもの。

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