そこで、並んで食べたいお客さんのニーズにも応えるために、朝から12時までは並んで食べられるようにし、12時からは予約制にすることにした。
すべて予約制にしなかったというのはポイントだろう。ふらっと食べに来たい人のニーズに応えるために、それぞれのニーズに合わせて選択できるようにしたのは松村さんのこだわりだ。
予約料は500円。1200円のラーメンを注文したとするとお会計は1700円になる。それでも長い時間並ぶよりはこちらのほうがいいと考えるお客さんが多いことを知った。
「やってみなければどうなるかわからなかったですが、いざ始めてみると500円払っても喜んでいるお客さんのほうが多いことがわかりました。
今や予約制のお店も増えてきましたが、うちも含めて、予約を使わなくても済むお店になってしまわないように、これからもお客さんに満足していただける味、お店づくりをしていかないとと襟を正す思いです」(松村さん)
松村さんはフレンチからの転身だが、ラーメンの味はいろいろと試したいものはあったものの、予約制がラーメン店に導入される日が来るとは思わなかったという。
時代とともにラーメンを食べる層が広がってきて、いろんな形のラーメン店が受け入れられるようになった流れから、たくさんの選択肢が生まれてきている。
「八五」のTableCheckの予約は、毎週土曜日の朝9時に翌週の分が開始される。いまや毎週5秒で売り切れるスーパープレミアムチケットだ。
リピーターも大変多く、外国人観光客の中にも日本に来るたびに「八五」を訪れるというリピーターがいるそうだ。
あまり語られない、店側の困りごとも解決
そんなラーメン店の新たな道を示してくれているTableCheckだが、実は簡単にラーメン店に受け入れられたわけではない。
以前から高級料理店ではすんなりとネット予約が受け入れられるようになっていたが、社長の谷口優さんはもっとカジュアルな場でも席が予約できたら便利だろうと考えており、2016年頃からラーメン店への営業を行っていた。
ラーメン店は客席の回転率が落ちる時点で検討してもらえないと思ったので、「ファストパス」という形で予約でなくても優先的に入れる権利を販売する形を考えた。
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