「カワイイ」で攻める!ドラッグストアの超絶改革 あのウエルシア薬局が大幅にイメチェンした理由

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若者へのアピールに振り切った実験店舗。都市部ではなく住宅街にあるのがポイントだ(記者撮影)

100円前後の手頃な韓国のお菓子が並び、思わず手に取ってしまうほど低価格のプチプラコスメもある。30台以上のカプセルトイ自販機が立ち並ぶ。「#推ししか勝たん」「最強にかわいい」といったフレーズが入り口の大きな看板に書かれ、ビビッドな色で描かれたキャラクターが客を出迎える。

昨年12月にオープンしたウエルシア薬局HAC BIOKA店は、そんな異質のドラッグストアだ。横浜市青葉区のたまプラーザ駅からバスで約10分の郊外の住宅街にある。1月には調剤薬局もオープンしている。

ウエルシア薬局をグループに持つウエルシアホールディングス(HD)は、全国に約3000店舗を展開するドラッグストアの最大手。調剤薬局の併設率が約8割と高く、医薬品に強みを持ち、30~50代やファミリー層の利用が多い。

一方、HAC BIOKA店で狙うのは、若者の需要だ。若者に人気が高い商品を集中的にそろえ、Z世代など20代以下の顧客の獲得に力を注ぐ。ここまで若い世代に振り切った店は同社の中で初めてだ。

バズっていて、今欲しいものが手に入る

実験店舗の店長に抜擢されたのは梅本亜希さん(34)。ウエルシア薬局の別の店で店長を務めていた。会社の営業本部から打診を受けて、新しい取り組みへのチャレンジを決めたという。

梅本店長は入社7年目の正社員。人の健康に関わる仕事がしたいと思い、ウエルシアを選んだという。前の店でも店長になる前から「どんどん新しいことをやっていきたい」というスタンスだった(記者撮影)

競合他社も若者を狙った取り組みを進めるが、郊外の住宅街で若い女性に人気の商品を手に入れられる店は少ない。「今バズっていて、今欲しいものが手に入るお店」。そんなコンセプトを思い浮かべながら店づくりを進めていった。

そのうえで、取りそろえたい商品は主に梅本店長や20代の次長がSNSや視察で選定し、会社の商品部を通じて各メーカーに交渉する。この店のためにメーカーなどを交えた会議も開かれ、メーカー担当者も積極的に商品の提案を行っている。

【写真8枚】今バズっている商品が手に入るドラッグストア。イメチェンしたウエルシア薬局の店内はこんな感じ
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