「カワイイ」で攻める!ドラッグストアの超絶改革 あのウエルシア薬局が大幅にイメチェンした理由

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ウエルシアはなぜ、このタイミングで実験店舗を出店したのか。背景には会社の低成長への焦りがある。

ウエルシアHDの2024年3月〜11月期の決算は、売上高はたばこの販売停止の影響があったが、買収などが貢献し、前年同期比4.6%増の9519億円。しかし、営業利益は人件費の増加などで同26.5%減の228億円と厳しい結果だった。

特に気がかりなのが、既存店の動向だ。2024年3~11月期の既存店売上高は前年同期比で1.3%増。コロナ禍前は5%程度、その後も3%程度の成長を維持してきたが、今年度に入って急激に鈍化している。

移り変わるニーズをどうとらえるか?

ウエルシアはビジネスモデルが明確で、同じような店づくりを進めてきた。しかし、それが足かせとなり、新しい店舗の開発では出遅れてきた。そうした背景から実験店舗に取り組んでいるわけだ。

「既存店舗との差別化として思い切ったデザイン、品ぞろえの変更を実施した。あくまでもパイロット店舗で、これが完成形ではない。これまでにない目に見える変化を作ることが今後のウエルシアには必要で、その意味では大きな一歩といえる」(桐澤英明社長)

今バズっている商品を売り場にきっちりそろえることも簡単ではないが、SNSなどで流行の商品はめまぐるしく入れ替わり、ニーズもつねに変わっていく。

そうした難しさを乗り越えながら、どのように若い世代の心をつかみ、魅力的な店舗を作っていくのか。HAC BIOKA店では、今日も「カワイイ」を取り込む試行錯誤が続いている。

吉田 敬市 東洋経済 記者

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よしだ けいいち / Keiichi Yoshida

1988年生まれ。テレビ局記者を経て、2024年10月入社。現在はドラッグストアや調剤薬局の業界を中心に取材。流通・小売業のほか、人口減少、環境問題、災害といったテーマにも関心をもつ。大学時代は政治学を専攻。趣味はバスケットボール。

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