ドラッグストアVS調剤薬局、「勢力圏争い」が激化 ウエルシアの調剤併設が調剤大手アイン超え

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ウエルシアの店舗外観
急拡大するドラッグストア最大手のウエルシア
「薬がない」。こんな言葉が医療現場で当たり前のように聞かれるようになって久しい。『週刊東洋経済』の10月10日発売号(10月14日号)は「薬クライシス」を特集。供給不安の深層を製薬メーカーと薬局の両方から浮き彫りにします。
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「こんなに利益率が高いのだから、やらない手はない」。ドラッグストアの幹部はそう明かす。現在、多くのドラッグストアが調剤事業を成長ドライバーに据え、調剤併設店舗を増加させている。調剤事業の粗利率は3割程度と、食品の粗利率1〜2割程度と比べてはるかに高い。

ドラッグストア最大手ウエルシアホールディングス(HD)の調剤併設店舗数は2022年度に2019。調剤専業薬局の最大手であるアインHDの調剤店舗数1209を大きく上回っている。

業界2位のツルハHDも、2020年5月期に615店舗だった調剤併設店舗を5年間で1170まで増加させる目標を掲げる。

ツルハの主戦場である郊外では、出店過多による客数減少が課題だ。来店頻度を高めるために食品の安売り競争が激化しており、利益率の高い調剤事業を強化する意義は大きい。

調剤薬局のドラッグ化

ドラッグストアは物販を生かした利便性も強みだ。調剤受付に処方箋を先に渡しておけば、待ち時間に店内で一般用医薬品(市販薬)や化粧品、食品などの買い物ができストレスが少ない。駅前立地の店舗が多く、仕事帰りにも使い勝手がよい。

一方の調剤専業薬局側は、ドラッグストアの侵食に“ドラッグストア化”で対抗している。アインHDはスキンケアやメイクを主力としたドラッグストア「アインズ&トルペ」を訪日外国人客の多い札幌や首都圏を中心に展開。コロナ禍で赤字が続いたが、2023年4月期は黒字転換した。

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