「フジはヤバい」と追求する側にも潜む"リスク" "性接待"は本当にフジテレビだけの問題なのか
人事以外に目を向けても、飲み会に女性社員を伴うことはよくある形ですが、権力を持つ人の横に座らせ、ホステスのような動きを求めていないか。その際のハラスメントなどを防いでいるか。もし被害が発生したときは十分な対応をしているか。そもそも「取引を成立させるため」という前提で無理強いしていないか。
CMを控えた企業も「ウチは問題ない」と言い切ってしまうと、社員の関与を全面否定したフジテレビの初動対応と同じであり、「疑惑が報じられた際に危機的状況に陥る」というリスクがあります。
組織をより健全化するためにも、今回の騒動をフジテレビのみの問題としてとらえるのではなく、自社で調査してもいいのではないでしょうか。
「個人の悪事」だとしても組織の問題
コンプライアンスの遵守や人権デューディリジェンス(事業における人権リスクの特定や対策、情報開示)が求められる令和の世では、社内のハラスメントが減った一方、受注関係の濃い取引先からの悪質なハラスメントはまだまだあるといわれています。
とはいえ令和の世では、さすがに報じられている組織的な「上納」「献上」ほどひどいものは少なく、その多くが個人による悪事とみられています。
ただ、もし個人による悪事だったとしも、見逃してしまい、適切なフォローを怠れば組織の問題となるのが怖いところ。フジテレビのような経営危機にも陥らないためには、「個人の悪事を生まない。見逃さない。即時対応」などのガバナンスを構築していくべきでしょう。
現在の企業に求められているのは、「社員たちはハラスメントや性加害の被害者にも加害者にもなりうる」というスタンス。フジテレビやテレビ業界だけの問題と決めつけず、あらゆる企業が社員や組織を守るきっかけとしてとらえてほしいところです。
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