「フジはヤバい」と追求する側にも潜む"リスク" "性接待"は本当にフジテレビだけの問題なのか

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また、ある民放テレビマンは「芸能事務所の中には訴えられてもおかしくない人がいるし、実際に『中居さんのように女性トラブルで弁護士を交えた協議になって示談した』というケースもある」と話してくれました。

これらは性別の問題ではなく、権力の格差によるところが大きく、それが発生しやすいのがエンタメ業界の課題と言っていいでしょう。

蛇足かもしれませんが、1人の書き手にすぎない筆者にすら「宴席で両隣に若手女性社員を座らせてお酌させる」などの接待を受けますし、そのことで「何らかのメリットを得ようとする」という関係者がいまだにいるのがエンタメ業界の実情かもしれません。

筆者が知る限り、フジテレビの苦境を他人事とみなすエンタメ関係者は少なく、中には「自分に追求が及ばないか」と不安視している人もいます。メディアと世間の人々の追求が、フジテレビの後は他局に移り、さらにエンタメ業界全体に広がっていくのではないか。そのとき自社は大丈夫なのか。

もし週刊誌に報じられたら……。もし個人から「被害を受けた」と告発されたら……。フジテレビのような後手の対応にならないように、エンタメ業界には独自の調査を行うべき組織が多いのではないでしょうか。

今回、CMを控えた企業は大丈夫なのか

さらに「今回の騒動はエンタメ業界に限った話」とは言いづらいところがあります。

キャスティングに関しては、コンパニオンやモデルの派遣などでも似たところがありますし、その他でもCMやイベントなどの決定権を持つ社員は何らかの過剰な接待を受けたり、ハラスメントをしたりという可能性があるでしょう。

それ以外でも、社内外の人事に関する権限を持っている社員は問題ないのか。たとえば、査定や配属、派遣社員の契約、入社面接、インターンシップなどの担当者は大丈夫なのか。

人間が人間の人生や生活を左右する仕事をしているときは、少なからずハラスメントや意にそぐわない性行為などの悪事が起きやすいところがあり要注意です。

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