高速道路SAに「シャワーが足りない」衝撃的な理由 トラック運転手の需要は絶大にもかかわらず…

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ドライバー自身の意識も大切だが、業界の社会的地位の向上、そして何より彼らの労働環境の改善には、地道な教育によるモラルの底上げが不可欠なのだ。

今回、「NEXCO中日本」にシャワー増設の予定を聞いたところ、「具体的な箇所は検討中です。これまで東名・新東名を中心に展開してきましたが、今後は設置箇所の少ない路線に拡大をしていくため中央道、北陸道などの路線に拡大していく予定です」と、増設に向けて積極的に対策を進めているとのことだった。

必要なのは「完全な自由時間」

トラックドライバーの脳・心臓疾患の支給決定件数は15年連続ワースト。2位とも4倍以上の差がある。

その大きな要因として指摘されているのは、やはり「労働時間の長さ」だ。実際、トラックドライバー(大型)の年間平均労働時間は、他産業のそれよりも408時間も長いため、改善する必要は大いにあるだろう。

しかし、どれだけ労働時間を短くし、休める時間を増やしたところで、完全自由な時間が保障されているはずの休息期間すら拘束されることになれば、まったく意味がない。

縦にも横にも長い日本列島を走り回り、われわれの生活を下支えするトラックドライバーたち。

現場の環境改善にはトラックドライバーの倫理観向上が必要ではあるが、生理現象すら処理できない日常生活を強いられる労働環境は、もはや「人権問題」と捉えるべきだ。

この現状を改善するためには、長時間労働の是正以上に、我々が当たり前にできる日常生活を、長距離移動する彼らにもできるようにする「環境づくり」が必要なのではないだろうか。

橋本 愛喜 フリーライター

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はしもと・あいき / Aiki Hashimoto

大阪府出身。元工場経営者・トラックドライバー。ブルーカラーの労働環境問題などについて執筆。著書に『トラックドライバーにも言わせて』(新潮新書)。

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