モロゾフ家が日本にバレンタイン広めたいきさつ 創業者はロシア革命から逃れて日本に亡命してきた

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時期は定かではないが、中世後期のヨーロッパでは、ウァレンティヌスの殉教日が聖ヴァレンタインデー、恋人たちの日として記録に残されるようになったという。

テルニでは、今でも2月14日にはバレンタイン発祥の地として、街ではコンサートや展示が行われるなどちょっとしたお祭りになるほか、街の中心部から2キロメートルほど離れた聖ヴァレンタイン大聖堂には、多くの人が訪れる。

1920年代にロシアから日本の神戸に伝わった高級チョコレート、そしてそれを贈るというバレンタインの風習は、神戸の街を、そのバレンタインの発祥の地であるイタリア・テルニにつないだ。

モロゾフの魅力

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現在の日本では、毎年バレンタインになると百貨店を中心に激しい商戦が繰り広げられるだけではなく、年々、バレンタインチョコレートの催事に出展する国内外のチョコレートショップも凝ったものになっていっている。

このようなトレンドにおいて、モロゾフは、数百円で買える小さなお菓子から、華やかかつクラシカルなデザインの缶や箱に入ったお菓子まで幅広く扱っている。日本全国どこでも買えること、昔から食べてきた安心の味、食べた後も使えるお馴染みの缶や容器などモロゾフの魅力をここでは書き尽くすことはできない。

ただ贈り物というのは、無理して買う必要のない、でももらったら嬉しいちょっといいものということを思い出させてくれるのがモロゾフなのである。

増永 菜生 歴史学者

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ますなが なお / Nao Masunaga

福井県生まれ。2017年よりイタリア・ミラノ在住。専門はルネサンス期イタリア史。京都大学文学部、同文学研究科修士課程を経て、一橋大学大学院博士課程単位取得満期退学。2021年から現在まで、ローマ第一大学サピエンツァ博士課程在学。カフェや美術館を巡るのを趣味とする。

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