トランプ氏就任式に見た「男社会」への揺り戻し ビリオネアも民主党重鎮もいつの間にか"迎合"
ワシントンはこの日、零下5度の寒波に襲われた。このためトランプ氏は急遽、伝統的に連邦議会議事堂の屋外で行っていた就任宣誓式を屋内に変更。このため、早いもの順で約2万人だけがスポーツ競技場でスクリーンから就任式を見られるようになった。
こうした中、正午の宣誓近くになると、競技場に入れなかった人々が中心部のスポーツバーに殺到。飲み物の注文もせずに、立ち見で宣誓を見守った。
筆者も競技場に入れなかったので、正午の15分前に高級バーに潜入。共和党・民主党の両党が仕切る式で、民主党関係者が出るたびにブーイングが起きる。反対にJ.D.バンス副大統領やトランプ大統領が画面に映るだけで、大歓声だ。宣誓直後は、「U.S.A.、U.S.A.!」の掛け声が沸き起こった。
女性による「ウィメンズ・マーチ」は勢い失せる
2017年の第1期の就任宣誓式直後は、ワシントンだけで約50万人、全米各地で数百万人が集合した女性による反トランプデモ「ウィメンズ・マーチ」が席巻した。歌手のマドンナまで演説に立ち、ワシントンでは過去最大のマーチだったが、今年は名前を変えた「ピープルズ・マーチ」が数千人で行われただけ。
競技場付近では20日午前、市民団体「レボリューショナリー・コミュニスト・パーティ」が、トランプ氏の名が書かれた旗や星条旗を焼いて、トランプ支持者や警官に取り囲まれた。とはいえ、団体参加者は18人程度。「ファシスト(のトランプ政権)を拒否する!」と叫んでいたのも5分程度だった。
一方、ホワイトハウス近くでは、ネオ・ファシズムの極右団体「プラウド・ボーイズ」数十人が、道ゆくトランプ支持者と交流していた。同団体にはトランプ氏が2020年の大統領選挙戦中、「一歩下がって、指示を待て」と言った経緯がある。
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