サムスンが日本の「キャッシュレス市場」に参入 Apple Pay、Google Payに次ぐ「第三のウォレット」

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Samsung Walletの大きなアドバンテージとして挙げられるのが、Galaxy端末との深い連携性だ。アプリを探して起動する手間を省き、ロック画面やホーム画面からの“上スワイプ”だけでウォレットを呼び出せるため、頻繁に使う場面でもストレスが少ない。

また、登録してあるカードやポイントサービスが一覧で表示されるUIも直感的でわかりやすいと感じた。 セキュリティ面では、ハードウェアレベルで保護する「Samsung Knox」を搭載。決済時には必ず生体認証が要求されるなど、厳密な安全対策が施されている。Knoxは端末内に暗号化された領域を確保し、クレジットカード情報やパスワードといった機密データをしっかりと守る仕組み。

“デジタル財布”としての進化に期待

Samsung Walletが日本で真価を発揮するには、多様なサービスを巻き込んで利便性を高める必要がある。FeliCaをはじめとする国内の主要決済規格への対応、さらには楽天ポイントといった大手ポイントプログラムとの連携などが進めば、日常的な支払い手段として使う場面が増えるだろう。

決済機能だけでなく、IDやチケット管理との統合によって利便性はさらに高まる。海外ではすでに運転免許証や学生証、車のデジタルキーなどへ対応が進んでおり、日本でもマイナンバーカードや運転免許証のデジタル化が加速している。

ただし、サムスン製のGalaxyスマートフォン――しかも当初は最新のGalaxy S25シリーズのみ対応と、利用可能な端末が限られている点には留意が必要だ。しかし、もしSamsung WalletがこうしたデジタルIDを含むサービスに幅広く対応するようになれば、単なる決済アプリを超えた「デジタル財布」としての価値を大きく伸ばす可能性がある。スマートフォンが“本当の財布”となる時代は、さらに近づくだろう。

石井 徹 モバイル・ITライター

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いしい とおる / Toru Ishii

1990年生まれ。神奈川県出身。専修大学法学部卒業。携帯電話専門媒体で記者としてのキャリアをスタート。フリーランス転身後、スマートフォン、AI、自動運転など最新テクノロジーの動向を幅広く取材している。Xアカウント:@ishiit_aroka

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