共テ英語「エッセイを作りなさい」問題への驚き 従来にはない出題タイプ、どう解いていく?
次に、Step2では、いよいよ文章を書くための準備に入ります。さまざまな意見を理解したうえで、どの立場に立って自分の意見を書くのか、ということを考えるステップです。
ここでは、「宇宙探査はよくない」という立場に立つと仮定して、誰の意見を自分の主張の論拠として採用するか、そのうえで自分はどんな主張をするのか、ということを整理していきます。
ここの段階でも、2問(3つの空欄の穴埋め問題)が出題されます。ちなみに、過去の共通テストと違い、この3つの空欄に関しては、すべてが正解できないと得点がもらえないようになっています。
最後にStep3 では、いよいよアウトラインを作ります。ここでは追加で2つの文書が提示されます。それを読んで、自分の立場の根拠となるものを選んで穴埋めをする、という問題です。ここでも問題が2問出題されます。
ここまでステップ化された問題は、過去の共通テストの中では出題されませんでした。完全に新しい問題形式であり、これからの共通テスト英語リーディングを象徴するかのような問題だったと言えます。
なぜこのような問題を出題したのか?
とはいえ、これは大学入試センターが事前に「令和7年度試験の問題作成の方向性、試作問題等」で公開していた方向性と完全に一致しており、「試作問題A」として公開されていたものとも同じタイプであったため、きちんと対策をしていた受験生であれば解くことができた問題だったと言えます。
東大生たちに話を聞いても、「十分解ける問題だった」「最初は難しそうに見えたが、時間が間に合えば対応できる問題だった」と話していた人が多かったです。
さて、ではなぜこのような問題が出題されたのか?事前に公開されていた「試作問題『英語』の概要」の中で、大学入試センターは問題制作の方向性について下記のように述べています。
・(中略)高等学校において、英語を「聞くこと」、「読むこと」、「話すこと[やり取り]・[発表]」、「書くこと」を統合した言語活動の充実が図られていることを踏まえ、情報や自分の考えを適切に表現したり伝え合ったりするために、理解した情報や考えを整理したり、何をどのように取り上げるかなどを判断したりする力を重視する。
英語を読む授業だけではなく、「話す」授業や「書く」授業が多かったことを踏まえて、このような問題が出題されているというわけですね。
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