大河「べらぼう」描く"性風俗メディア"何が凄い? "蔦重"が仕掛けた広告・マーケティングの中身
吉原に話題を戻そう。
アドミュージアム東京の展示、および同施設の元学芸員・坂口由之さんの著書『江戸の広告作法/えどばたいじんぐ』によると、吉原の広告・宣伝活動は、「吉原細見」にとどまらず、多種多様であった。
江戸時代にもタイアップやコラボがあった
出版物においては、洒落本という遊里文学が発達し、遊里の内部の様子や、遊女・遊客の言動を広く知らしめる効果を果たした。歌舞伎や落語においても、遊廓を舞台やテーマとしたり、遊女が登場したりと、現代でいうタイアップ、コラボレーションの手法が取られている。
吉原のメインストリートとなる中の町(なかのちょう)は、桜の名所としても知られていたが、桜の木が植樹されたのは、集客を意図してのことだとされている。さらに、桜の時期には花魁道中が行われた。
これに限らず、四季折々にさまざまなイベントが開催されたという。現代でいうプロモーションイベントが、すでにこの時代に開催されていたのだ。
「吉原細見」に話を戻そう。
この出版物のリニューアルを請け負ったのが蔦重なのだが、放映された大河ドラマ第2回の中で、蔦重は本書の情報内容をアップデートすると同時に、平賀源内に序文を書いてもらうことを画策する姿が描かれている。
この平賀源内という人物も、非常に興味深いのだが、文字数が尽きてしまったので、また次回に詳しく論じたい。
そして、蔦重が「吉原細見」のリニューアルと平賀源内との出会いを足掛かりとして、どのようなビジネスを創出していくのか? 『べらぼう』の第3回目以降の展開は、この点に着目しておきたい。
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