安保法案可決の参院、振り返れば問題だらけ 「良識の府」の威厳は完全に失われた
後の世の人たちは、ここ数日の永田町で繰り広げられた一連の出来事を、いったいどのように評価するのだろうか。9月19日午前2時過ぎ、安保関連法案は参院本会議で可決され、成立した。
国会の外では「戦争法案廃案!国会正門前大集会」に集まった人々が、声を限りに「戦争法案採決撤回」「安倍は辞めろ」と叫んでいた。
民主党には「党勢回復」の狙い
「決戦日」である18日は、午前9時からの民主、維新、共産、社民、生活の野党5党党首会談から始まった。この時、参院に内閣問責決議案、衆院に内閣不信任決議案を提出することを合意したことで、会期末の「山場」が決定している。
もっとも圧倒的多数を占める与党の勢力に対して、野党が提出する決議案が可決する可能性は皆無だ。だが、可決されると内閣が総辞職しなければならないと憲法が規定する衆院の内閣不信任決議案や、政治的効果しかないが三権分立で重要な意味を持つ参院の問責決議案を出すことは、国民に対して大きくアピールすることができ、次の選挙に繋がってくる。とりわけ2012年12月に政権から転落した民主党にとって、党勢を回復するためには不可欠だ。
よって、無謀と思われるようなことは極力抑えられた。たとえば1996年に新進党が住専問題で6850億円の公的資金投入されるのを阻止すべく、衆院第一委員会室を物理的に占拠したことがあるが、今回は噂されたピケ張りは行っていない。
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