維新、「内閣不信任案」が決める大阪系の運命 「反対」をすれば除名処分で追放される

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18日にも行われる予定の安保関連法案採決に対抗し、野党は内閣不信任案を提出する予定。これへの対応が、維新の党の大阪系議員の運命を決める。写真は14日の国会前の様子(写真:Natsuki Sakai/アフロ)

東京からでは維新の党の本当の動きが見えにくい。それは、その大部分がまさに大阪で動いているからだろう。「大阪には大阪の論理がある」と維新の党関係者は語る。

たとえば「党を割らない」と言いながら、その直後に維新の党を離党し、新党結成を表明した橋下徹大阪市長の言動だ。2008年の大阪府知事選で、橋下氏が「2万パーセント出馬はない」と言明しながら出馬した経緯から、「またか」との声もある。しかしその背景には、橋下氏の気まぐれではない、もっと複雑な事情があるようだ。

橋下市長と松井知事は一枚岩ではない

「橋下市長と松井一郎大阪府知事は決して一枚岩ではなく、その思惑は全く異なるものだ。それが2人の離党に繋がった」

ある維新の党の議員から聞いたのは、こんな謎のような言葉だ。では橋下氏の思惑とは何か。松井氏の思惑とはどう異なるのか。橋下氏らと近い関係にある大阪の地方議員経験者に、その関係を尋ねてみた。

「橋下氏が目指すのは地方ではなく中央政界。最終的には総理大臣のポストを狙っている。維新の党なんぞ、どうでもいい。だから大阪市長を辞めて大阪から手を引くために、政界引退をほのめかした。これからしばらく、テレビなどで活動することになるだろう。実際に某局から、週あたり200万円のギャラでレギュラー出演の依頼が来ていると聞いている」

一方の松井知事は立場が全く異なっている。

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