維新、「内閣不信任案」が決める大阪系の運命 「反対」をすれば除名処分で追放される
松井知事を支えているのは、あくまで橋下人気だ。
「松井氏らは橋下氏あってこそのもの。橋下氏がいるから選挙で当選できるし、政治力を駆使できる。だから橋下氏を政治的に引退させたくない。橋下氏と一緒に大阪維新の会を作った松井氏には、まずは自分が府知事選で当選し、さらに仲間も当選させる責任がある。だから『党を割らない』と言った橋下氏を松井氏が説得して、2人の離党と新党結成宣言に至った」
すなわち、新党結成で橋下氏を留め置くというやり方だ。そしてこれ以降、橋下氏は政界復帰を匂わす発言が散見されるようになる。
橋下氏は中央政界に打って出る?
まずは9月3日の定例会見だ。橋下氏は来夏の参院選出馬の可能性について問われた際、「将来のことを言うのは止める、自由にする」と含みを持たせた。
実はそれ以前にも、橋下氏は微妙な発言をしているのだ。枚方市長選の投開票前々日の8月28日午後、伏見隆候補の応援のために橋下氏が大丸ピーコックの前にやってきた時だ。大阪での橋下人気は変わりなく、この時も約1100名の住民が集まった。
「一度死なせて下さいよ」
女性ファンから「辞めないで!」との歓声が飛ぶと、橋下氏は嬉しそうにこう言ったという。「これは一度辞めてまた戻ってくるという意味。政界を永遠に去るつもりなら、こういうことはまず言わないはずだ」と、その場にいた関係者は感じたという。
だが新党結成で、果たして大阪系の議員たちは救われるのだろうか。さらにいえば11月に行われる大阪府知事選・大阪市長選で、松井氏らが勝つことができるのか。
「彼らの計算違いだったかもしれない」と述べるのは、前出の大阪の地方議員経験者だ。「年内に新党を結成したとしても、維新の党を分党しなければ政党助成金の分け前にあずかれない。今のところ、分け前にあずかれない可能性が大きい」と分析する。
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