東上線でも、池袋―小川町間からは2015年に撤退し8両編成が消滅した。ただ、小川町―寄居間のワンマン運転区間ではその後も4両編成が活躍し、2023年3月のダイヤ改正でワンマン運転区間が拡大したことで、森林公園―小川町間には再び8000型が走るようになった。
2024年11月時点で、2両編成6本、3両編成10本、4両編成11本、6両編成16本の計182両が運行を続けている。
「電車の構造を教えてくれた車両」
東武の顔として長年君臨し、数を減らしながらも今なお存在感を示す8000型。その最盛期といえる1985年に入社した泉川さんにとって、8000型は「電車の構造を実地で教えてくれた、一番思い入れの深い車両」だ。
最初の配属先だった西新井工場(廃止)では、検査のために連日入場してくる8000型の床下に「毎日もぐっていた」。その後本社に異動してからも8000型との縁は続き、今度は修繕工事の担当として部品の手配や完成検査などに従事。さらに部署が変わってからも修繕に携わり続けた。「12年半の間、8000型の大半の完成検査に立ち会いました」と泉川さん。「修繕は2007年度が最後だったのでもう十数年前。その車両が現役バリバリで走ってくれているのがうれしい」と話す。
だが、終焉の日はいずれ必ずやってくる。現在、最も多く8000型が残っている東武アーバンパークラインには2025年から新型車両の80000系が投入される予定で、「ゼロの1つ多い」新車と入れ替わりに8000型は引退が進むことになるとみられる。
「まだしばらくは活躍が見られるでしょうが、最後まで安全第一で無事に完走してほしい」。40年にわたって共に歩んできた車両のプロは思いを込めてこう語る。昭和から平成、そして令和と走り続けた8000型も、まだまだ活躍を続けているとはいえ、終点が見える時が近づいてきたようだ。
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