東武8000型「通勤車のロングセラー」が放つ存在感 20年間に712両製造、豊富すぎるバリエーション

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一般利用者にとって大きな変化だったのは冷房の設置だろう。1972年度製造の車両から搭載が始まり、それ以前の車両も改造して1984年度までに取り付けた。

また、台車も1976年度以降の製造車はそれまでの「ミンデン台車」と形状の異なる「S型ミンデン台車」に変更している。そのほかにも小規模な設計変更や5社あるメーカーの違いによる差異など、細かな違いは無数にあるという。

東武8000 ミンデン台車
8000型の「ミンデン台車」(記者撮影)
【写真で見る】通常は絶対に見えないマニアックすぎる「違い」。製造時期の新しい車両は床が波型のステンレス板、古い車両は平らな鉄板だ

形式は、正式には4・6・8両編成が「8000型」、2両編成が「8500型」。このほかに8両編成を改造して3両編成にした「800型」と「850型」があり、鉄道ファンなどはまとめて「8000系」と呼ぶことが多いようだ。

修繕工事で変わった「顔」

1983年までに712両が製造され、名実ともに東武の顔となった8000型。その「顔」、つまり車両の前面デザインは一度大きく変化している。

初期に造られた車両がデビューから20年以上経過し、車体に錆や腐食などが見られるようになった1986年度以降、車体の鉄板張り替えなどを行う修繕工事がスタート。翌1987年度からは、修繕の際に前面を「新車と見間違えるほど」(泉川さん)に大きく変更し、行き先や種別の表示器を窓と一体化したデザインに改め、丸型だった前照灯も尾灯と一体の角型になった。

東武 8000型 全面
1987年度からの修繕工事で一新された前面(記者撮影)
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