あんなに愛された街が…「立石再開発」微妙な現状 怒涛の再開発計画掲げる葛飾区に住民が疑問
しかも、2024年時点の建設費では民間に分譲される西棟より、区役所が入る東棟のほうが、上昇分が大きい見立てとなっている。
「2022年の時点で屋上にヘリポートを作る予定となっており、当然、区が発表した建設費にも含まれているものと思っていましたが、2024年の資金計画で初めて計上されたとのこと。
さらに、区庁舎が入る東棟のほうが、床単価が高いのは内装費が含まれているから、というのが区の説明ですが、内装の費用が含まれていることで区が受け取る床の面積が狭くなるなら内装は不要ではないかと思います」と長らく再開発に厳しい目を向けて来た葛飾区民の塔嶌麦太さんは話す。
1階より3階のほうが権利床の評価額が高い?
区の説明からは増える建設費は区が負担し、何としてでも再開発を進めたい、という思いが汲み取れるが、これに対して住民側は土地の対価に対してビルの床を得る「権利床」が不当に高すぎることを問題視している。
「葛飾区が取得する東棟3階フロアの権利床の評価額は1㎡当たり98万8215円ですが、同じ棟の2階フロアの評価額は1㎡当たり45万2234円です」と「無駄な税金投入を許さない新庁舎問題住民訴訟を進める会」代表の今井賢吾さんは説明する。
「一般に商業ビルでは1階の価格が最も高く、その次に2階、3階と階数が上がるごとに安くなるものです。ところが葛飾区は2階の2倍以上の額で3階フロアを取得しています」
再開発認可にあたり縦覧されていた資料で見ると広さ、位置によっては1階でも3階より安い区画もあり、3階の価格の高さは常識とは大きく異なる。
そこで、今井さんらは、2階との差額53万5981円に3階の取得面積を乗じた7億1610万2775円の権利床を放棄し、区に損害を与えたと訴えているのだ。
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