健康志向に応えるチョコ風味菓子の「意外な」原料 「失敗」から誕生、高騰するカカオの代わりに
2024年11月中旬からナチュラルローソンの一部店舗でも取り扱いを始めている。12月には、朝のテレビ情報番組で紹介されたことで、注文が殺到し品薄状態となった(2025年1月上旬時点)。
本来、チョコレートのおいしさは、カカオ豆の品質が大きく関係するとされている。そのカカオ豆を使わないで、果たしてチョコレートに近いものができるのだろうか。筆者も会社から試供品をいただき、興味津々に食べてみた。
すると、見た目、香り、口どけの滑らかさ、後味など通常のチョコレートと比べてまったく見劣りしない。じっくり味わうと、チョコレートとは異なりゴボウの風味がするが、甘味素材とよく調和している。個人的には、子供向けと言うより大人向け商品との印象を受けた。
同商品は2024年7月、これまでにない斬新さなどが評価され、ジャパン・フード・セレクションでグランプリを受賞。
同社によると、主なターゲット層は40代前後の女性を念頭に置いているという。1袋(12枚入り)の希望⼩売価格600円(税抜)は、スーパーやコンビニなどで販売されている一般的な内容量のチョコレートと比べて割高だが、豊富な栄養素を含む。
ゴボウの食物繊維が1枚(4.2g)に約0.7g含まれており、2枚でレタス100g以上の食物繊維を摂取できる。ノンカフェインのため健康志向の人たちにも支持されているという。夕食後のおやつやワインなどのお酒のお供にも合う。
そのほか、老化や病気予防になるポリフェノールに加え、果物や野菜に含まれるフラクトオリゴ糖も含まれており、「カラダが喜ぶ設計になっている」(同社開発本部)という。
"失敗作"が誕生の始まり
そもそも同社は、なぜゴボウを使用したチョコレート風味の商品を開発したのだろうか。聞けば、たまたま研究者の失敗から生まれたものだという。
研究部の平尾凌⽒がある日、植物由来のバターを作ろうと何種類かの素材を混ぜたところ、見た目がチョコレートのような物ができてしまった。失敗して捨てようと思った時に、ゴボウの素材を混ぜたらチョコレート⾵味になったことが誕⽣の始まりだった。
その後、後味、香り、口どけなどに徹底的にこだわり、128回もの試作をくり返しながら、素材の完成度を高めたという。
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