鳥羽シェフが実践する「仕事でモテる2つの鉄則」 クライアントにアピールして「選ばれる」コツ

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「モテたい相手」について徹底的に調べ、相手の心をつかんだら、次に必要となるのが「編集力」です。料理、プレゼン、恋愛——。何においても必要な能力だと思います。情報をもとに、プランを編集するわけです。その時間、相手をどう喜ばせるか。それは行き当たりばったりではいけない。ロジックや戦術が必要です。

チームでプレゼンに臨む場合は、僕が熱量を持って語った後、ちょっとトイレに立った時、ほかのスタッフが、「実は鳥羽は御社の店に毎日通わせてもらっているんです」と言ったりします。これはチームとしての戦術です。

恋愛でもそう。告白する時、いきなり「好きです。付き合ってください」だと、うまくいかないかもしれない。でもきれいな夜景を見ながらだと、うまくいくかもしれません。それも編集であり、デザインだと思います。

2品目で自信作を出す

やはりモテるには、編集が必要。最適な時に最適な場所で自分の思いを伝えると、うまくいく確率が上がります。サッカーで言うラインコントロール、つまり状況に合わせたコントロールがビジネスではとても大事です。

僕も、特にコース料理では、自分のカラーは抑えながら、あくまでお客さんを喜ばせるために料理を作っています。

まず「編集」に必要なのは、「素因数分解」。

物事には必ず構成要素があります。それをこれ以上分解できないところまで分解し、そこから考えることが大事。その中から選んだものを、次はどの順番で出すか。これがすべてではないでしょうか。

例えばコース料理の場合、僕は、自信作を必ず2品目でお出しします。1品目との差の分、おいしさが引き立つからです。

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一方、1品目では、「ん?」と、ちょっと考えさせるようなものをお出しします。例えばスープなら、かなり薄味のもの。「やはりいいレストランだから、こんな薄味なのかな」と思わせるようなもの。そこへ自信作を出すことで、おいしさがグッと引き立つ。映画でも、淡々とした流れの後に、スリリングなシーンが来ると、一気に観客の心をつかみます。あれと同じです。

また、店でお茶を出すことを考えた場合、麦茶にするかルイボスティーにするか、何のお茶にするかを誰でも考えるでしょう。しかし、それだけではいけません。どういう器にするか、器のサイズ、触った時の質感、そこにお茶を淹れた時の味、温度、香り……。すべての要素を洗い出します。

そして次は優先順位を考えます。例えば夏の暑い日だと、冷たいことが一番に来なければなりません。そこを起点に、すべてを組み立てます。それが何であるかを相手や世間に向けて、提示するということ。僕は年中、そんなことばかり考えています。

鳥羽 周作 レストラン「sio」オーナーシェフ

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とば しゅうさく / Shusaku Toba

sio株式会社代表取締役。Jリーグクラブの練習生、小学校の教員を経て、31歳で料理の世界へ。2018年「sio」をオープン。同店は、「ミシュランガイド東京」に2020年から6年連続で掲載。現在、「sio」「sio Aoyama」「o/sio」「o/sio FUKUOKA」「㐂つね」「ザ・ニューワールド」「おいしいパスタ」「NAGANO」「FAMiRES」と9店舗を展開。書籍、YouTube、SNSで公開するレシピや、フードプロデュースなど、レストランの枠を超えて様々な手段で「おいしい」を届けている。モットーは「幸せの分母を増やす」。

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