鳥羽シェフが実践する「仕事でモテる2つの鉄則」 クライアントにアピールして「選ばれる」コツ

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コラボさせていただく企業へプレゼンする時は、細かい情報収集が欠かせません。関連する本をすべて読み、徹底的に調べ上げます。すると、相手が何を大事にしているのか、何を課題にしているのかがわかってきます。その上でプレゼンを組み立てると、たいてい成功します。

逆にそれを怠ると、話になりません。薄氷を踏むようなことになる。相手を徹底して調べることは愛です。それは相手への興味を持つことだからです。

下調べして、ものすごく勉強する

僕がもし、あるレトルトカレーの会社と仕事をしたいと思ったら、まず日本のレトルトカレーを全部取り寄せ、実食して研究します。

すると、いろいろ細かいことがわかってくる。全部に共通する点、商品によって異なる点、売れている商品の特長、自分が漠然と考えていたのとは違っている点などが見えてきます。

自然と先方の特長もつかめます。「御社の商品の特長は、肉ににおいがなく柔らかいところ。レトルトでこんな肉、ほかではありませんよね」と言うと、先方は笑顔で「わかってもらえますか、うちの技術」ということになるはずです。

コンビニのお仕事をさせていただく場合、まずお店に足を運び、どういう商品がいくらで売られているかを全部調べます。

コンビニのお弁当は2週間に1回のサイクルで変わるのですが、何がどう変わったのかもチェックします。商品の種類と値段を調べるだけではありません。お客さんがどういう商品を見て、何を買うかもチェックします。そんな風に、社員よりも詳しくなるぐらい調べます。その上でプレゼンに臨みます。

あらかじめ相手の会社のホームページをチェックすることも欠かせません。例えばすかいらーくさんと仕事をする場合、「御社がその社名(skylarkは、『ひばり』を意味する英単語)で、ひばりのマークなのは、1号店がひばりヶ丘だからですよね」とサラリと言ったりすると、相手の顔に笑みが浮かび上がります。

実際、すべての人は情報の集まりです。初対面の人でもいろんな情報がある。服装、靴、時計、スマホのデコレーション——。うちの店にお客さんがいらしたら、まずそういうところを見ます。

うちの店で言うと、お客さんが前回何を食べたかを記録しておくこともそう。コーヒーにミルクを入れるのか入れないのかといった細かいことを記録に残して、それを次に反映させる。例えば、すごいお金持ちでも、あまり服装を気にしない人もいたりする。そういう人だと、内面的なところに大事にしているものがあるはずです。

丸の内のイタリアンレストラン『o/sio』を始める時も、下調べをして、ものすごく勉強しました。カジュアルなイタリアンレストランに、クラシックかつマニアックな要素を組み合わせれば絶対に流行ると思ったので、20冊ほど関連する本を買って、読み込みました。

一口にイタリアンレストランと言っても、いろんなものがあります。新しい店を始めるとしたら、誰でも今流行っている店を真似ようと思うでしょう。でもそれではいけません。その流行っている店は、本場の本格的な店を真似ただけかもしれない。そして本格的な店には、必ずルーツがあります。何かをベースにいろんな要素を組み合わせていたりします。それを洗い出す一方で、ほかには、イタリアンにどんな歴史や文化があるかを勉強します。そしてそれらを組み合わせ、自分なりのニュアンスを持った業態を考えます。それは間違いなく、新しいものになります。

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