「ヒトメタニューモウイルス」はコロナの再来か? 中国で感染者爆増、現時点でわかっていること

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ヒトメタニューモウイルス(hMPV)に感染した生後4カ月の男児のレントゲン(写真:Hilmes et al., Pediatric Radiology, 2017 via The New York Time)

中国で呼吸器系ウイルスの感染者が急増しているとの報道は、ほぼ5年前の新型コロナウイルスのパンデミックの発生時を想起させる。しかし、表面的な類似点にもかかわらず、今回の状況はまったく異なっており、憂慮すべきものではない、と医学専門家はいう。

中国の症例は、医師にはhMPVとして知られている「ヒトメタニューモウイルス」による感染と報告されている。現時点で、私たちが知っていることは以下の通りである。

重症化すると気管支炎や肺炎を引き起こすことも

ヒトメタニューモウイルスとは何か?

hMPVは、呼吸器系疾患の原因となる病原体の1つで、毎年世界中を循環している。hMPVは一般的で、ほとんどの人が子どものうちに感染し、一生のうちに何度も感染する可能性がある。寒冷な気候が数カ月続く国では、hMPVはインフルエンザのように毎年流行することがあるが、赤道に近い地域では1年中低いレベルで循環している。

咳、発熱、鼻づまり、喘鳴など、インフルエンザや新型コロナウイルスとよく似た症状を引き起こす。

ほとんどのhMPV感染は軽症で、風邪に似ている。しかし、重症化すると気管支炎や肺炎を引き起こすことがあり、特に乳幼児や高齢者、免疫不全の人がかかりやすい。喘息、慢性閉塞性肺疾患、肺気腫など肺に持病のある患者は、重症化するリスクが高い。

高所得国では、このウイルスが致命的な結果をもたらすことはまれであるが、保健システムが脆弱な低所得国では、死亡することが多い。

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