「ヒトメタニューモウイルス」はコロナの再来か? 中国で感染者爆増、現時点でわかっていること

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このウイルスはいつから存在していたのか?

このウイルスが特定されたのは2001年であるが、研究者によれば、少なくとも60年以上前からヒトの体内で循環しているとのことである。新しいウイルスではないが、インフルエンザや新型コロナウイルス、あるいはRSウイルスのような知名度はない、とアメリカのバンダービルト大学医療センター小児感染症科准教授のリー・ハワード博士はいう。

その理由の1つは、確定症例で入院した場合を除き、この病名が取り上げられることがほとんどないからである。

「hMPVの臨床的特徴は、ほかのウイルス性疾患と区別するのが難しく、新型コロナやインフルエンザ、RSウイルスのように定期的に検査することはない」とハワード博士はいう。「そのため、ほとんど場合は認識されず、呼吸器系の病気と決め付けられてしまう」。

中国は何と説明しているのか

hMPVはどのようにして感染するのか?

ウイルスは主に、咳やくしゃみによる飛沫やエアロゾル、感染者との直接接触、汚染された表面への接触によって広がる。

ワクチンはあるのか?治療法は?

hMPVに対するワクチンはない。しかし、RSのワクチンはあり、両ウイルスが類似していることから、1回の予防接種で両ウイルスから身を守ることができるワクチン接種の研究が進められている。hMPVに特化した抗ウイルス治療は現時点ではない。

中国は何と言っているのか?

中国当局は、hMPV感染者が増加していることを認めているが、このウイルスは既知のものであり、大きな懸念ではないことを強調している。新型コロナの原因となるコロナウイルスは新しい病原体であるため、人々の免疫システムはそれに対する防御を構築していなかった。

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