アウトランダーPHEV「新型のデキ」はいかほどか 進化した比類なきプラグインハイブリッドSUV

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実際、BEVを経験すると、「スムーズで静かな加速感が捨てがたいものに思えてくる」という人は多いはず。その一方で、クルマの買い替えの時期がきたとき、「またBEVを買うべきか」悩む人もいるではないか。なぜかというと、(私見だけれど)モーターにはエンジンほどの個性がないからだ。

エンジンだとガソリンかディーゼルかで悩み、気筒数で悩み、トルクや出力の出方でまた悩む。どれもクルマ好きにとっては楽しい悩みである。BEVにはそれがない。

BEVには、楽しくない悩みがある。充電だ。遠出が好きな人は充電施設の確保で悩み、自宅に充電設備を持っていない人も、やはりスムーズに充電できるかで悩む。

「アウトランダーPHEV」は普通充電のほか急速充電にも対応(写真:三菱自動車工業)
「アウトランダーPHEV」は普通充電のほか急速充電にも対応(写真:三菱自動車工業)

筆者は東京都世田谷区に住んでいるが、自宅周辺の充電施設はごく限られている。ほとんどないといっていいぐらいだ。BEVを扱っている国産車の販売店に確認したところ、「第三京浜を使って(港北インターちかくの)IKEAまで行くことをお勧めしています」との答えだった。

そうなるとやっぱり、プラグインハイブリッドなんだろう。

比類なき全天候型プラグインハイブリッドSUV

アウトランダーPHEVの価格は、Mの526万3500円にはじまり、Gが587万9500円〜、Pは631万4000円〜で、P Executive Packageは659万4500円〜だ。Mは5人乗りのみだが、そのほかのグレードは7人乗りの設定もある。

ミニバンほどの広さはなくても、3列目のシートがある安心感というものはある(写真:三菱自動車工業)
ミニバンほどの広さはなくても、3列目のシートがある安心感というものはある(写真:三菱自動車工業)

3列目のシートは、クッション性などが以前よりよくなってはいるものの、レッグスペースはミニマム。床下にバッテリーが収まっているので、仕方がないのかもしれないが、少々惜しい。乗り降りを考えても、床全体を高くするという設計もありえただろうか。

とはいえ、3列目のシートを頻繁に使うような人は、よりボディの大きなマツダ「CX-80」やミニバンのトヨタ「アルファード/ヴェルファイア」のプラグインハイブリッドを選ぶ手もある。

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「5+2」の全天候型プラグインハイブリッドSUVとして、新型になったアウトランダーPHEVの存在感は、やはり唯一無二なのである。

【写真】PとP Executive Packageの違いもチェック!新型「アウトランダーPHEV」の内外装(88枚)
小川 フミオ モータージャーナリスト

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おがわ ふみお / Fumio Ogawa

慶應義塾大学文学部卒。複数の自動車誌やグルメ誌の編集長を歴任。そのあとフリーランスとして、クルマ、グルメ、デザイン、ホテルなどライフスタイル全般を手がける。寄稿媒体は週刊誌や月刊誌などの雑誌と新聞社やライフスタイル誌のウェブサイト中心。

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