その上のP Executive Packageとの違いは、セミアニリンレザーのシートが通常のレザーとなること、シートベンチレーションが非装備となること、ヤマハ共同開発のオーディオが、12スピーカーから8スピーカーになることなどで、255/45R20のタイヤとホイールサイズは共通。
乗った印象をひとことでいうとスムーズ。幅広い層を満足させる出来栄えだと思った。バッテリーの冷却効率を高めたことで、アクセルをフルに近く踏んで加速を続けても、パワーが落ちていくことがない。
モーターの加速は、BEV経験者なら先刻承知しているとおり、静かで力強く、気持ちがよい。
アウトランダーPHEVは、エレガントに乗りたいというユーザーが多いそうで、これならその人たちの期待を裏切らないはずだ。それなりに押出しの強いマスクだけれど、車内ではリビングルーム感覚でリラックスしていられる。
ハンドリングはしっかりしている。サスペンションの設定はややスポーティで、カーブを曲がるときなどの車体の傾きは、よく抑えられている。ハンドルの操舵力もどちらかというと重めで、中立付近に戻る復元力も意外に強く感じられた。
「運転の楽しさを強調したいと思いました」と、三菱自動車商品企画部の担当者は話す。ただし、それでも従来よりマイルドな設定に振ったという。
「今回は足まわりなどを見直すことで、いってみれば“カド”を丸めて、よりスイートスポット(=対象顧客の幅)を広くしたつもりです」
スポーティモデルの追加はないだろうから(私見)、「基本はファミリーユース」(商品企画担当者)というアウトランダーPHEVがカバーしなくてはならない市場は広い。
「Dynamic Sound Yamaha」の実力
私が「うまいな」と思ったのは、車内に身を落ち着けたときに感じるぜいたくな雰囲気に仕上げたところだ。
このクルマに期待されるものは、エレガンスとかコンフォートだろう。静かでふわふわというのでなく、積極的に車内のたのしみを設けているのも特徴だ。
ヤマハと共同開発した「Dynamic Sound Yamaha」オーディオも、今回のアウトランダーPHEVのセリングポイントのひとつ。
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