予防歯科の先進国で「甘いケーキ」が日常の衝撃 日本の「歯磨きの仕方」ではむし歯は防げない
日本の歯磨きの仕方でむし歯は防げない
「むし歯予防には歯磨きが大切」と言いながら、その歯磨き法が最新の口腔医療から見ると間違いだらけなのです。歯磨き時間、歯磨き粉、磨き方など、さまざまな点で効果の少ない磨き方になっているのです。
たとえば、フッ素配合の歯磨き粉で歯磨き後、コップにたっぷりの水を入れて何度も口をゆすぐ習慣です。後で述べるようにフッ素の活用はむし歯予防に効果的ですが、せっかくフッ素を使っても口の中をゆすいでしまっては、フッ素成分が洗い流されてしまいます。
また、スウェーデン人の多くは、歯磨き後にフロスや歯間ブラシなどを使って、プラーク(歯垢)を取り除いています。日本でも最近はフロスや歯間ブラシを使う人が増えていますが、残念ながら使い方を間違えている人が少なくありません。
さらにいえば、口腔ケアは自宅だけでは不十分です。大事なのは定期検診で、スウェーデンでは子どもの頃から歯科医院で定期検診を受けるのが当たり前になっています。成人になってからも、8割の人が定期検診を受けています。
定期検診の大切さは、日本でも認識され始め、近年は受診する人が増えています。とはいえ、その割合はまだまだ少ないものです。2014年に全国の1181の歯科医院で実施された調査によると、定期検診を受けている人は37パーセントでした。半数以上は、定期検診を受けていない状況です。
また、定期検診を受けていても、「歯石取り=歯のメンテナンス」と勘違いしている人がなんと多いことか。あるいは、ちょっとしたむし歯を見つけ、「じゃあ、治しておきましょう」と治療する歯医者もいます。患者としては「来てよかった」となりますが、じつは削らずにすむ方法があるのに削ってしまい、将来のむし歯リスクを高めていることもあるのです。
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