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日本の正月料理はなぜ、世界的にも「特殊」なのか 世界の人たちは新年に何を食べているのか

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イタリアの家族は「レンズ豆煮込みを食べるよ」と教えてくれた。レンズ豆なんて極めて日常的な食材で、しかもご馳走というよりはつつましい食材。貧者の食と言われることすらある。しかし、レンズ豆はそんなつつましいイメージと同時に、縁起のいいものでもある。「豆の形が硬貨みたいで、しかも膨らんで増えるからお金持ちを連想させるんだよ!」。

(写真:筆者撮影)

ブルガリアの家族が見せてくれた12月31日の食卓は、ソーセージやチーズなど祝い事の食卓の定番たちが並べられ、主役はバニツァというヨーグルトチーズパイ。バニツァは家でもよく焼くし街のスタンドでも買えるくらい日常的なものだけれど、新年を迎えるためのバニツァは特別。「おみくじ」が入っているのだ。

ハナミズキの小枝で紙をパイに刺したり、中に入れたり。一家でバニツァを食べながらこの「おみくじ」をするのは、運の良し悪しを判定するというよりも、イベント的な楽しさがあるに違いない。同様のおみくじ的な風習は各地にある。

(写真:筆者撮影)

ところでこれも12月31日の話。1月1日は残り物を食べてゆっくり過ごすという。

フィンランドの一家と迎えた新年は、12月31日の夜は家で映画を観て、深夜近くになったら家の近くのスキーリゾートに向かってカウントダウンと花火で新年を迎え、家に帰って市販のソーセージとポテトサラダを食べて寝た。

(写真:筆者撮影)

フィンランドは、アウトドアでもサウナの後にもしょっちゅうソーセージを食べるが、新年もやっぱりソーセージ。特別意味があるわけではなく、「スーパーでソーセージとポテトサラダを買ってくるんだよ」というエフォートレスな過ごし方が、らしさなのかもしれない。朝起きたらいつもと同様の休日。ゆっくり過ごした。

お節料理のようなものはない?

というわけで、各地12月31日に食べるものはそれなりにあるけれど、1月1日は特に何もない。そして決まったものは1〜2品で、お節料理のように何品も作らない。さらに、家族で食卓を囲むことに重きがあるような印象で、1つひとつの料理や食材が意味を持つゲン担ぎのようなものはあまり見られない。イタリアのレンズ豆くらいだろうか。

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