ローソン、ファミマが急ぐ「勢力拡大」の行方 それでも王者セブンの背中は遠い

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ただ、ここからさらに中堅コンビニを草刈り場にして、シェアを急拡大するのは難しそうだ。残るブランドは、イオン子会社のミニストップ(約2200店)や、山崎製パンのコンビニ部門であるデイリーヤマザキ(約1600店)など。いずれもすぐに手放すことは考えにくい。

セブンの何が強いのか

ブランドを統一するにはオーナーの理解も重要になる。契約変更で手取りが減ったり、閉店に追い込まれたりすることを警戒するオーナーも、少なくないからだ。

また、単に店舗数を膨らませるだけでなく、最も重要なのは、1店当たりの競争力を高めることである。コンビニ業界が“セブン独走状態“とも例えられるのは、全体の店舗数が多いだけでなく、1店当たりの売上高が圧倒的に高いからだ。

8月19、20日にローソンが開いた下期施策の発表会に参加したあるオーナーは、「正直、行ったのがムダと思うくらい。目新しいものは何もなかった」と苦笑する。経営統合をテコに、セブンに規模で並ぼうとするファミマも、1店当たりの売上高だと、ローソンにも及ばない。

量の競争が一段落しようとする中、質も伴った真の実力がいよいよ試される。

(撮影:尾形文繁)

「週刊東洋経済」2015年9月26日号<19日発売>「核心リポート01」を加筆)

田野 真由佳 東洋経済 記者

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たの まゆか / Mayuka Tano

2009年に大学を卒業後、時事通信社を経て東洋経済新報社に入社。小売りや食品業界を担当し、現在は会社四季報編集部に所属。幼児を育てながら時短勤務中。

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