ローソン、ファミマが急ぐ「勢力拡大」の行方 それでも王者セブンの背中は遠い
勢力拡大で先を行くのはファミマだ。今年に入り、業界4位のサークルKサンクスを抱える、ユニーグループ・ホールディングスとの経営統合を決めた。8月中としていた基本合意は、スーパー「ユニー」の再建策などで手間取り延期したが、2016年9月の統合予定は変えていない。これが実現すれば、コンビニの店舗数でセブンと肩を並べる。
さらに9月8日には、東北から沖縄まで店舗を持つココストアを、130億円で買収すると発表。緩やかな提携で“仲間”を増やすローソンと違い、看板はファミマに統一する。
ココストは高すぎた?
売り上げの減少が続いていたココストアは、単独での生き残りが難しいと判断。身売り話は複数社に持ちかけられたが、ローソン役員は「(買収額が)高すぎて見送った」と打ち明ける。一方のファミマは「九州や沖縄などの店を補完できる。店舗のリニューアルで済むので、投資コストは少なく済む」(ファミマ役員)というメリットを重視した。ただ、「全店舗の取り込みは考えていない」(同)。採算を慎重に見極め、ファミマへの転換を推し進める。
看板=ブランドが統一されないままだと、商品も広告宣伝も別々になってしまい、規模のメリットが発揮しにくい。それでもローソンがポプラやスリーエフの独立性維持を認めたのは、「他社に取られないよう、つばを付けておいたということだろう」(小売業担当のアナリスト)。
実際、将来的にローソンの看板に替わるという見方は、業界内に多い。スリーエフが展開する1都3県を中心に、関東は競合大手に比べローソンの店舗数が少ないため、ブランドを一本化すれば、補完効果が期待できる。
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