そこにある「SNSの呪い」に、皆まだ気づかない

潜在的、無意識的にこめられる「悪意」の怖さ

まだマスコミがなかった19世紀までは、人々にとって口コミがほとんど唯一のメディアだった。そこでは、情報に人々の潜在的、無意識的な悪意が介在しやすく、呪いというのは当たり前のようにあった。

ところが、マスコミが登場して人々のコミュニケーション形態が大きく変化した。そこで人々は、媒介者として、あるいは発信者としての力をなくしたため、潜在的、無意識的な悪意を込められなくなった。

21世紀の私たちに、まだ耐性はない

だから、そこでの「呪い」はマスコミしか発しなくなって、彼らの標的になったらひとたまりもないが、物理的な制約があったので、それほど多くの人が呪いの標的にされることはなくなった。だから、20世紀の間は「呪い」そのものが下火になったのだ。

それが21世紀になってSNSが登場し、マスコミの影響力が低下すると、再び復活したというわけである。しかしそれは、人々が長らく触れていなかったものなので、まだみんなその怖さに気づいていないし、その耐性もできていない。

その意味で、「呪い」は、そしてSNSは、今がいちばん怖い時期なのだ。そこでぼくにいえるのは、ただ一つ、「君子危うきに近寄らず」ということだけである。

 

プレタポルテの関連記事
15期連続2桁増収のスーパーの人事を支える「類人猿分類」のすごさ(名越康文)
責任を取ることなど誰にもできない(内田樹)
東大卒のポーカープロに聞く「場を支配する力」(家入一真)

 

ライフの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 日本野球の今そこにある危機
  • ほしいのは「つかれない家族」
  • 日本資本主義の父 渋沢栄一とは何者か
  • ドラの視点
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
脱・ストレス 不安加速社会<br>への4つの処方箋

コロナ禍で、人と会ったり飲み会をしたりといった従来のストレス解消法がしづらくなっています。そんな今だからこそ、「脳」「睡眠」「運動」「食事」の専門家が教えるコンディショニング術でストレスフリーな状態を目指しましょう。

  • 新刊
  • ランキング
東洋経済education×ICT