元とらばーゆ編集長が60代で新築住宅を建てた訳 「60歳からの人生を楽しむ」 三浦市と二拠点生活

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「夫も私も食べることが好き」を表すような広いキッチン。そこからも木立越しにヨットハーバーが見える(写真撮影/桑田瑞穂)
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友人が遊びに来て宿泊できるよう、二段のベッドスペースを設けた。「このソファもベッドになるもの。人を招きやすい”包容力のある家”もコンセプトのひとつでした」(写真撮影/桑田瑞穂)
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造園のプランを依頼したのはグリーンにまつわるさまざまな提案を行っている「SOLSO」。白の花が咲く、清涼感のある香りのするティーツリーのほか、三浦市に自生する植物や実の成る樹木を植えて。「窓の位置や動線と合わせて、“自然に見えるけれど、実は計算尽くされたデザイン”になっています」(写真撮影/桑田瑞穂)

人生100年時代ならまだ40年ある

とはいえ、通常、60代といえば、そろそろローンの完済が見えるころ。住み慣れた家を修繕したり、便利な立地のマンションに買い替えたりすることはあっても、「初めて住む場所に、一戸建てを建てる」――不安はなかったのだろうか。

「人生100年と考えたら、60歳ってまだあと40年あるんですよ。この40年を私は3つに分けて考えています。85歳ぐらいまでを元気に生活できる『アクティブ期』、95歳ぐらいまでを健康面で難はあるけれど、自分の事は自分できる『セルフケア期』、その先は誰かのヘルプを受けながら自分の尊厳を守る『要介護期』の3つです。

いずれ誰もが介護が必要になり、どこかしらの施設に入る人も多いでしょう。とはいえ、実はセルフケア期までは自分の家で過ごせるんです。けっこう長いんですよね。だから60歳で自分の家を建てることは決して遅くはないと思います」

河野さんの家はバリアフリーではない。どの場所にいてもハーバービューを堪能するため、段差を付けているし、階段もインテリアの邪魔にならないよう、手すりは最小限だ。

「確かにバリアフリーとは逆行した家ですね。もちろん、いつか車椅子になるかもしれない。でもそのいつかっていつ? いつ来るか分からない、でも確率としては20年以上先の不確定な未来のために、今の生活を犠牲にしたくなかったんです」

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階段を上がったワークスペースから、2段上がって寝室へ。階段の手すりも吹き抜けの柵も、ミニマムで美しいデザイン(写真撮影/桑田瑞穂)

お金の問題はどうだろうか。

「書籍『Die With Zero』がヒットしていますが、私も死ぬときまでにお金は全て使い切ってしまおうって思ってるんです。一応、老後資金、起業資金としてある程度蓄えはありましたが、ドル建ての年金など一部の貯蓄を“そんなにいらないんじゃない”と解約しました。

実は、60歳って支出がすごくコンパクトになる世代でもあるんです。子どものいる家庭であれば、最も支出が多いのは子どもの教育費のかかる50代で、それを過ぎれば不確定要素は減るんです。これからもできるだけ長く働き続けるつもりですし、年金がいくらもらえるようになるかも分かっているし、なんとかなるなと思いました」

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