2024年ベスト経済書、4~6位はこの書籍だ! 日銀、インフレ、就職氷河期関連がランクイン

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『人事と権力』書影
『人事と権力──日銀総裁ポストと中央銀行の独立』(岩波書店)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします
軽部謙介(かるべ・けんすけ)/1955年生まれ。ジャーナリスト、帝京大学教授。著書に『検証 バブル失政』『アフター・アベノミクス』など

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経済の専門家が選んだ、2024年のベスト経済書・経営書は何か。本特集では、経済学者やエコノミストなど33人のアンケートを基にランキングを作成。年始にこそ読んでいただきたい書籍を紹介する。

トップ人事を通じた金融政策の支配

異次元緩和は黒田東彦が日銀総裁に任命されたことで実現した。著者は、トップ人事を通じて金融政策が政治にコントロールされる危険を厳しく追及する。

▼著者に聞く 

本書の前に『官僚たちのアベノミクス』から始まる新書3部作を書いた。執筆中ずっと気になっていたのが日銀の総裁人事だ。

安倍晋三政権は、「都合のよい人物をトップに据える」というやり方で、日銀の独立性を揺るがした。法律にも憲法にも違反しない形で行われたが、日銀法の精神とは相いれないだろう。違法とはいえないが、決して望ましいものではない。その出来事の意味をどう理解するべきか、自分なりに検討していこうと考えた。

理論の書ではない。ジャーナリストにとって、何より重要なのはファクトだ。関係者に話を聞き、文書を細かく確かめ、ファクトファインディングをしなければ議論が始まらない。「総裁任命」という象徴的な出来事は、多くのプロセスが積み上がった先で起きている。それを感じてほしい。

▼推薦コメント

1998年の新日銀法施行で独立性を付与されたはずの日銀は、官邸による「総裁・副総裁人事」という形で政治への従属性を高めていった。それは今日も弊害をもたらしている。今まで皆が何となく感じながら、明確に言えなかったことを喝破している。(吉崎達彦)

単純に面白い。「人事を通じた政治と日銀の関わり」の舞台裏がドラマチックに解説され、小説のように味わえる。(足立正道)

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