2024年ベスト経済書、4~6位はこの書籍だ! 日銀、インフレ、就職氷河期関連がランクイン

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3 ✎ 4
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
『就職氷河期世代-データで読み解く所得・家族形成・格差』(中央公論新社)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします
近藤絢子(こんどう・あやこ)/1979年生まれ。東京大学社会科学研究所教授。2009年コロンビア大学で博士号取得。専門は労働経済学

実は知られていない平均的な氷河期世代像

就職氷河期世代の雇用や賃金、家族形成、世代内格差などを統計的に分析し、「氷河期世代像」を更新する。著者は本書のために新たな論文2本を書き上げたという。学術的意義も大きい一冊。

▼著者に聞く 

自分自身も氷河期世代で、この世代の不遇に対してはいろいろな思いがある。一方でメディアに登場する氷河期世代が、極端に困難な状況に置かれた人や、この世代の中で社会的に成功した人に偏りがちなのは、気になっていた。

本書は「平均的な氷河期世代の姿」をデータで捉え、事実を伝えることに徹した。すると、氷河期世代の雇用が不安定で年収が低いことのほか、「氷河期世代で出生率は下げ止まっていた」「非正規雇用率は下の世代も同じくらい高い」など意外な現実も見えた。

昨今、「社会保障を削減し、手取りを増やせ」という主張が勢いを増している。だが、氷河期以降の世代が老親の介護に直面し、セーフティーネットの拡充が必要となるのは、データからも明らかだ。今後の社会保障の議論が、客観的分析を基に行われるよう願う。

▼推薦コメント

氷河期世代を理解することは、日本経済・社会を深く理解することにもつながる。(手島健介)

山本 舞衣 『週刊東洋経済』編集者

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

やまもと まい / Mai Yamamoto

2008年早稲田大学商学部卒業、東洋経済新報社入社。データ編集、書籍編集、書店営業・プロモーション、育休を経て、2020年4月『週刊東洋経済』編集部に。「経済学者が読み解く現代社会のリアル」や書評の編集などを担当。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD