瀬戸内海の離島が「留学先」として注目のワケ 「全校生徒数が93名」の広島県立大崎海星高校
東京で開催された地域みらい留学合同説明会に参加したところ、各学校ののぼりが立ち並び、まるでこれから漁に出る港のような活気がありました。もちろん漁船ではなく、実際は全国各地の高校のブースがびっしりと並んでいたのです。会場は進路を考える親子が多く参加していたのですが、学校のブースで説明をしているのは学校の職員らしくない人ばかり。中には高校生がプレゼンテーションをしているブースも見られました。実際に数校から話を聞いたのですが、地域とのつながりを重視し、生徒が主体性を持って学べる工夫があったり独自の魅力を前面に出した学校が参加していました。
その中でも一際興味を惹かれた広島県立大崎海星高等学校を後日訪問しました。
「教育の島」大崎上島町へ
東京から飛行機、レンタカー、フェリーを乗り継いで約3時間半の場所に瀬戸内海に浮かぶ離島、大崎上島があります。大崎上島町の人口は、6815人(2024年10月末、広報大崎上島2024年12月号より)。眼前には瀬戸内海の絶景が広がり、島には自然豊かな長閑な風景が広がっています。主要産業としては、柑橘系やブルーベリーの栽培があるのですが、フェリーから車で降りると港の近くに造船所が視界に入り、この島の主要な産業であることがうかがえます。聞けば、中世の頃は海賊の島として知られ、昭和の中頃まで木造船の製造で栄えた町だそうです。
大崎海星高等学校は全校生徒数が93名のアットホームな公立の高校。校舎の入り口付近には、地域に伝わる木造の手漕ぎ船「櫂伝馬(かいでんま)」が設置されていて、まさに海賊時代からの歴史を垣間見ることができます。
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