「箱根駅伝」を新年のスピーチに生かす4つのコツ 繰り上げスタートやシード権争い…"ネタ"の宝庫
それでは、一つ一つ解説していく。
まず第一に「ビジョンの重要性」だ。「あるべき姿」「ありたい姿」――こういったビジョンを共有することで、チームが一つになり、チームは実力以上の力を発揮することができる。
箱根駅伝に出場するどのチームもめざすのは優勝だ。しかし箱根駅伝の面白いところは、優勝以外にもめざすべき目標があること。
それが、「シード権の獲得」である。
箱根駅伝のシード権は、総合成績上位10校がもつ権利のこと。シード権があることで、翌年は予選会なしに箱根駅伝に出場できる。
そのため、たとえ優勝が難しくなっても、レースの途中から「シード権獲得」に戦略変更をするチームがあらわれ、数々のドラマ、名勝負を生んできた。優勝が決まっても、最後まで諦めないチームの姿勢が私たちビジネスパーソンの心をつかんで離さない。
第二に「チームワークの重要性」だ。
箱根駅伝における有名なキャッチフレーズは「一本の襷をつなぐ」である。このフレーズに、チームワークの重要性が込められている。
先頭チームから、一定以上差がついてしまった場合「繰り上げスタート」のルールが適用される。その際、第一走者から繋いできた「襷」が途切れることになるのだ。
「襷」が途切れることは、選手たちにとって大変ツラいことだ。だから優勝も、シード権獲得も難しくても、
「一本の襷を途切れることなくつなぐ」
という目的のためにチームワークを発揮しようとする。この姿勢に我々ビジネスパーソンの胸を打つのである。
箱根駅伝の感動はスピーチに生かせる
第三に「スキルアップの重要性」だ。
個の力にもフォーカスすることで、主体的にスキルアップしようという意識がメンバーの中で芽生える。この姿勢こそがチームの底上げにつながるのだ。
箱根駅伝では全体のタイムだけでなく「区間記録」もフューチャーされる。その結果、チームではなく個人のスターが誕生することが多いのも特徴的だ。
チーム力ももちろん大事だが、個人のスキルアップもまた重要であることを箱根駅伝は教えてくれる。
最後に「マネジメントの重要性」だ。
箱根駅伝は「想定外の連続」。ビル街を抜ける平坦な道のりではスピードランナーたちの駆け引きが、勝負どころになるいろいろな「坂道」では、ペースコントロールに苦しむ選手が増え、目まぐるしく順位が入れ替わることがある。
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