「人口減少社会」では民主主義は機能不全に陥る 中央は「問題先進地域」地方の革新を妨げるな!

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偏在問題を解決するための総合診療医の育成は、医師需給分科会でも繰り返し、5回に渡る中間報告書に繰り返し書かれるのですけれども、いつものように日本の民主主義プロセスで抹殺されていきます(「プライマリ・ケアって何?――松田晋哉先生、草場鉄周先生との鼎談」<note>)。

3つ目の地域医療の経験は、2018年の医療法改正でできた医師少数地域での医療従事経験を認定して管理者要件とする制度でした。これは若い人たちを地域の医師の供給源として派遣するというのではなくて、地域医療を経験してもらうという意味です。若いときに経験すると、なるほど、おもしろいではないかという意識になって、後に地域医療に貢献してくれる人たちが出てくるということです。

<参考資料>
第10回全世代型社会保障構築会議(2022年12月7日)
本日配付してもらった資料8です。面倒だけれども作ろうかと思わせてくれた医政局には感謝しております(資料8「データによる見える化と同様に重要な、政策形成過程の可視化――政治経済学者から見る社会保障論」)。
資料の1ページの下のほうの②で「地方の地域が、各地で離島に似たような状態になっていく」と書いています。これは意味が分からないかなと思うので、説明しておきますと、そういう人口減少問題に対応できるのはプライマリ・ケアとか総合診療医です。OECDの平均では、プライマリ・ケア医は1人で1180人ぐらいの地域住民を見ている。 
日本では、専門医の必要数についてなかなかデータがないのですけれども、ただ、循環器内科専門医の必要医師数の論文があるのですが、それだと日本に大体9000人が必要と試算されています。これで日本の人口を割ると約1万3000人。つまり、プライマリ・ケア医は人口が少ないところでその地域の8割から9割の医療ニーズに対応できるわけですけれども、離島ではプライマリ・ケアでしか機能しないわけで、循環器内科が離島にいるという状況を考えると、仕事もないし、その地域の医療ニーズにはほとんど対応できていないというような状況になります。
だから、人口減少が進んでいる地域ではプライマリ・ケア医とか総合診療医を求める声というのは悲鳴のような声で上がっています。ところが、トップが東京とか大阪の人たちの組織からはそうした声が出てこない。それは必然です。

都市圏の開業医たちはやりたくない

あのときの医師需給分科会の主なメンバーは、クリニックの院長になるためにも地域医療での経験要件を組み込もうと考えていました。

しかし、いつものように(従来の政策形成のあり方に)ブロックされて地域医療支援病院のみとなった。そのときにわれわれが出していた条件が、認定資格そのものはJCHO(独立行政法人地域医療機能推進機構)とか済生会とか日赤(日本赤十字社)というような病院の院長資格に使うことができるようにしておいてくれということでした。法律の立てつけはそうなっていると思います。

ところが、2018年の医療法改正から6年たつのにいまだにどこも手を挙げておりません。

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