クボタが海外生産拡大に本腰、タイや北米の生産拠点を急ピッチで増強

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韓国、中国勢が台頭 安定市場での地固め急務

なお、日本メーカーの多くが被害を受けたタイ洪水だが、クボタへの影響は軽微だった。耕運機などを生産するナワナコン工場が浸水したものの、すでに別工場に生産を移管し、製品供給には支障を来していない。また、農作地の7割以上が洪水被害の少ない東北部や北部であったことから、需要に大きな影響は出ない見込みだ。

今後、必要とされるのは現地ニーズに適した製品のタイムリーな生産。現状、クボタの海外売上比率は約5割であるのに、海外生産比率は約2割と低い。ここにきて韓国や中国、インドなどのメーカーも技術力をつけ、その存在感を高めている。クボタはタイの生産現地化を皮切りに、北米や中国でも生産強化を進めたい考えだ。

北米では、採算のよい中小型トラクターが底堅い。主に富裕層の個人が、庭園管理や軽土木の用途でトラクターを購入する。景況に大きく左右されない安定した市場だけに、地盤固めが急務である。

そこで、約55億円を投じて、北米に中型トラクターの専用生産工場を新設する(稼働開始は13年1月計画)。現在は小型トラクターを中心に年間5万台を北米で生産しているが、中型については筑波工場(茨城県)で生産、輸出している。新工場の生産能力は2万2000台で、初年度は32~46馬力など3製品程度を約1万3000台生産する予定。竣工すれば、円高リスクや輸送コストの低減にもつながる。


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