クボタが海外生産拡大に本腰、タイや北米の生産拠点を急ピッチで増強

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アジア市場に照準 タイで一貫生産開始へ

国内と海外では、市場規模に雲泥の差がある。トラクターの場合、国内の年間販売約4・4万台に対し、タイは6万台強、米国は14万台弱(120馬力以下)、さらに中国は約30万台、インドは50万台以上の市場規模だ(いずれも10年度、クボタ調べ)。

地域により生産される農作物が異なるなど、製品のニーズはさまざま。ただ、海外に肥沃な市場があるのは確か。そこで、クボタは海外深耕の布石を以前から打ってきた。

特に注力してきたのがタイだ。進出したのは1970年代と早かったが、事業が拡大したのはここ7~8年のこと。2000年ごろより日本からタイにクボタの中古機が流れ、「性能が高い」と農家の間で定評がついた。現地では水田での用途が多いため、「小型軽量で、かつ壊れにくい」という特長が評価されたのだ。

この流れに乗ろうと、目下、タイへの生産移管を急速に進めている。11年1月にエンジン鋳物工場が量産開始。コンバイン工場は同年12月に稼働。12年10月には、鋳物工場に隣接する土地に、エンジン組立工場も竣工する計画。これにより、調達を含めたタイ現地での一貫生産体制を確立する。国内生産に重きを置いてきた同社にしては、珍しいスピード感だ。


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