「年末年始の株価は上がりやすい説」検証した結果 1949年からのサンタクロースラリー期間のデータ

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先ほどのサンタクロースラリーと合わせて考えてみましょう。サンタクロースラリーは2000年以降でも71%の勝率で効果的な株価ジンクスでした。しかし、数は少ないながらも残りの29%(100%-71%)は失敗した年です。この失敗した年に限って、続く1月の日経平均株価の騰落率調べると71%と高い勝率で上昇傾向がありました。

つまり、サンタクロースラリーどおりにならなかった年は、年明けの1月効果で株価が上昇しやすいのです。

対照的にサンタクロースラリー通りに株価が上昇すると、年明け後は1月に上昇する傾向が高くありません。2000年以降で見て、サンタクロースラリー期間で上昇した後に続く1月効果の勝率は47%と50%を割ってしまい、株安の年が多くなりました。

ジンクスを使って投資姿勢を考える

1月効果は、クリスマス休暇後に復活する外国人投資が相場を牽引することが背景にあります。しかし、その前のクリスマス後、サンタクロースラリーですでに株価が上がっていると、上値余地も限定されてしまうようです。

一方、サンタクロースラリー期間でジンクスに反して株価が下がっていると、その反動も加わって高い1月効果が見られます。

こうしたジンクスを使って投資姿勢を考えてみましょう。まずはサンタクロースラリーのジンクスで、クリスマスから投資を行います。検証結果に見られるように高い勝率どおりに年末まで株価が上がっていたら、一旦そこで手仕舞ってしまいまししょう。しかしサンタクロースラリーのジンクスどおりではなく株価が下がっていたら、続く1月効果に期待して、年明け後も株価を保有するという方法がいいのかもしれません。

吉野 貴晶 マネックス証券チーフ・マーケット・アナリスト 兼 マネックス・ユニバーシティ 投資工学研究学長

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よしの たかあき / Takaaki Yoshino

金融情報誌「日経ヴェリタス」アナリストランキングのクオンツ部門で、記録的となる16年連続で1位を獲得した後、国内系運用会社で投資工学開発センター長を経て、現職。社会人として歩みを始めて以来、一貫してクオンツ計量分析、データサイエンス、AI(人工知能)を活用した証券市場の分析に携わる。大学共同利用機関法人 統計数理研究所のリスク解析戦略研究センターで客員教授を兼任。青山学院大学大学院国際マネジメント研究科(青山ビジネススクール)にて客員教授、学術フロンティア・センター特別研究員。経営戦略、企業評価とポートフォリオマネジメントの授業の教鞭も取る。博士(システムズ・マネジメント)。日本ファイナンス学会理事、日本金融・証券計量・工学学会(JAFEE)理事。2025年9月より現職。

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