北海道新幹線は1日何往復だと適切なのか 独自に「あるべき本数」を試算してみた

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今度は貨物列車の本数も予想してみよう。先ほども述べたように、北海道新幹線は青函トンネルを中心とした区間で在来線の海峡線と線路を共用する。JR貨物が運転を担当する貨物列車も引き続き海峡線を運転されると発表されているのだ。

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表5:北海道―北海道を除く都府県間の貨物輸送トン数

2013年度の北海道―北海道を除く都府県間の貨物輸送トン数は表5のとおり。鉄道は年間464万9988トン、1日当たり1万2740トンを運んでおり、輸送シェアは8・3%だ。

貨物列車と時間がバッティング

海峡線を行く貨物列車は20両編成を組む。貨車にはコンテナを搭載したコンテナ車だけが用いられる。コンテナは各種あるなか、12フィート級5トン積みのJRコンテナが最も一般的であるのでこちらで算出しよう。

コンテナ車は1両につき12フィート級5トン積みのJRコンテナを5個積載できるから、20両編成の貨物列車1本当たりの最大輸送トン数は500トンだ。以上から、1万2740トンを輸送するためには合わせて26本、片道13本ずつの貨物列車が必要となる。

現実的にはすべての12フィート級5トン積みコンテナにきっちりと5トンの貨物が詰め込まれているとは考えづらい。海峡線に現在、定期列車として片道18本ずつ計36本の貨物列車が運転されていることからも明らかだ。

加えて貨物輸送は日々の変動が激しい。繁忙期に比較的長く運転される季節列車が片道1本ずつ計2本、臨時列車が片道7本ずつ計14本と、合わせて片道8本ずつ計16本。定期列車と合わせると最大で片道26本ずつ計52本が運転されることとなる。

いま挙げた点を考慮すると北海道新幹線開業後も貨物列車の本数を変えずに済ませたい。だが、ここで問題が生じる。新幹線では高速走行に備えて列車の運転されない午前0時から午前6時までの間に線路の保守作業を行うこととなっていて、青函トンネルを中心とした共用区間も例外ではないからだ。

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