北海道新幹線は1日何往復だと適切なのか 独自に「あるべき本数」を試算してみた

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いま午前0時~午前6時に青函トンネルを通る貨物列車は北海道方面行きが4本(定期列車3本、臨時列車1本)、本州方面行きが7本(定期列車6本、季節列車1本)と計11本に達する。これらの貨物列車は運転時刻を変えるか、廃止としなければならない。廃止は無理であろうから、運転時刻の変更が現実的な解決策であろう。

共用区間において北海道新幹線の列車と貨物列車とがすれ違う際、安全性を考慮して新幹線の列車の最高速度は時速140㎞に抑えられる。大地震が発生してコンテナが線路上に飛散するといった可能性が捨てきれないからだ。

北海道新幹線の列車のスピードアップのために海峡線の貨物列車など全廃すればよいという声も聞かれる。その根拠は表05にあるように輸送シェアが「わずか」8・3%しか存在しないからというものだ。

JR貨物が存亡の危機に?

ところが、全国的に見れば鉄道による貨物の輸送シェアは0・6%でしかない。8・3%という輸送シェアは大健闘と言えるであろう。それに、年間464万9988トンという北海道対北海道以外の都府県間の貨物輸送トン数は、JR貨物の2013年度の貨物輸送トン数3031万トンの15・3%に相当する。仮にこれだけの貨物輸送トン数を一気に失ってしまったとしたら、JR貨物は存亡の機を迎えるであろう。

JR貨物などこの世になくてもよいから、青函トンネルを中心とした共用区間で北海道新幹線の列車が他の区間と同様に時速260㎞で走ったほうがよいという考え方も一理ある。青函トンネルの建設に要した6890億円もの総工費の償還にはそのほうが早いかもしれない。

差し当たり、青函トンネルを中心とした共用区間では北海道新幹線の列車と貨物列車とを通し、新幹線だけで一本立ちできる実績を積み上げたときには再考してもよいであろう。

梅原 淳 鉄道ジャーナリスト

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うめはら じゅん / Jun Umehara

1965年生まれ。三井銀行(現・三井住友銀行)、月刊『鉄道ファン』編集部などを経て、2000年に独立。著書多数。

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